きっとしあわせ
あの日をから数日がたって、私は日常を取り戻した。まるであの日が無かったかのように瑠璃も私も過ごしている。
(夢……じゃないよなぁ)
「茉莉?どうかしたの?」
「あっ、ううん!何も無いよ!」
あの日から血を吐くことも無くなった。でも立ちくらみが増えた。
(寿命が減ってるってことなのかな)
自分のやったことに後悔なんてない。だから、瑠璃がいる今が嬉しい。それで、それでいい。
「ーーーでね、その時私がーー、瑠璃…?」
「……」
「…瑠璃?ちょっと待ってどうしたの?」
目に生気がない。話が聞こえないみたいな……
「…んぇ、なんだっけ」
「ちょっと、私に散々言ってるのに寝てないとかダメだよ!!」
「ははっ、茉莉に怒られるのなんて久しぶりすぎる!」
「なんだとぉー!!」
(…気のせいだよね)
気のせいだったら良かった。あの日を境に瑠璃が意識を失う時間が増えた。魂が入っていないようなそんな目をして。
(なんでなんでなんで?だってあの時、確かに魔法は成功したのに!!)
もう一度、左手に意識を集中させる。この前のように体が熱くなる気がした。
「…なにこれ」
私の手にはステッキのようなものが握られていた。私の腕より少し長いくらいの長さで、可愛らしいピンクふちと黄色の星のような形をした物がついている。
星は何か水のようなものが中に入っていて、半分程入りながキラキラと輝いていた。
(きれい……)
「でもこれ、なんだろっーー!?」
ゾワリ。
全身の身の毛がよだつ感じがした。何かが近くにいるような、いや、近づいてくるようなーー
「ーーちょ、えっ?!」
気づけば、私は自分の部屋の窓から飛び出していた。
体が驚くぐらいに軽い。跳躍力も上がったきがする。
(ーーなんか、洋服変わってない……?)
さっきまでパジャマだったのに、今は魔法少女感全開のフリフリのリボンやスカートに変わっている。
「怖い場所に行ったら何かわかるかな」
数分ほど走り、そいつのが見えた。この世のものではなかった。目玉のような形で歯車がギシギシと動いている。金属を繋ぎ合わせてできたナニカにしか見えなかった。
恐怖で体が動かないし口からは「ヒュー」という、乾いた空気しか出てこない。
「っに、逃げなき……!?」
目があった。そう思った瞬間にそのナニカは腕のようなものを私の真横にむかい投げてきた。その腕の一部が、地面に刺さる。
(……あ、これ無理なやつかも)




