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Trottel

「……それで、どうやったら瑠璃を助けられるの」

「まぁまぁ、そんな焦らなくてもちゃんと動くようになるからさ」

「やり方は簡単さ、自分の左の手の甲に意識を集中させてごらん」


(左の手の甲……?)


言われたとおりに意識を集中させた。数秒たった辺りからか、段々と体が熱くなるのを感じた。なんか、眩しいような……

チラリと目を開ける


「……え、なにこれ」


手の甲には不思議な模様が痛いほどに煌めいている。

(魔法陣みたい)


「あぁそう!それだよ!」

「わぁっ!なに、これがどうしたの?」


「この術は難しいからね、でもそれが発現すればあと少しだよ」


(瑠璃を、救えるーー?)

まっててね、すぐ助けるから。


「次はその子の魂を何処に入れるかなんだけど……」

「出来ればその子がいつも持ってるものがいいかな」


(瑠璃がいつも持ってるものーー?)


「ーあ、キーホルダー……」


この前二人で遊園地に行った時に買った、ペアルックのキーホルダー。それはずっと瑠璃のスマホにつけられていた。


「器が決まったならあとは魂を入れるだけだよ」

「手の甲に唇をつけながら呪文を唱えるんだ」


「呪文?」

「あぁ、それなら頭の中に浮かんでくるはずだよ」


ーーだって君は魔法少女だからーー


そう言っていた気がした。不安でも、今はこの少年を信じるしかないのだ。それなら


「……失敗したら許さないから」

そう言って手の甲に唇をつける。すると魔法陣はさっきよりもより強く光を放ち周りを白く包み込んだ。


(なにこれ、頭の中に何か流れてーー)


「…トーテル」


瞬間、私を包んでいた光が粒子となり舞い落ちる。


(成功、したの……?)


「…っゴプ」


(ーーえ?)

血が出てる。何処から?私、今吐血したのーー?

「あ、やっぱり耐えられなかったか」


「な、に……?」

「いや?でもまぁ大きな力を得るんだったらそれ相応の代償がいるよね!」


(なにを言ってるのーー?)

頭が追いつかない。瑠璃は大丈夫なの?なんで血を吐いたの?わかんないよ

感情の読み取れない顔で彼は言葉を続ける


「…魔法はね使う人の生命力と引き換えに使えるんだよ。だから人の命を移そうとすればそれ相応の代償がいるんだ」


「つまり、魔法少女になった時点で君の寿命は縮んでるってこと!」


「はーー?」

「じゃ、僕はもう行くね!」


「ちょ、まってーー」

「……んん」


(……え?)


「る、るり……?」

「あれ、寝ちゃってた?」


確かに、瑠璃は動いていた。魔法は成功していたのだ。私の、命と引き換えに。


「あ、あぁーーうぇぇ……」

「ちょ、何泣いてんの!??」

「うるさ、ふふっ」


瑠璃の体温が、いつもよりずっと暖かく感じられた。

(ずっとこのままでいたかったなぁ)

ふと、体が重く冷たく感じられた。先程の魔法でどれほど寿命が減ったのか。十年、二十年?いやもっと多いかもしれない。

(瑠璃、私貴方の為に頑張るよ)








「人間って本当にわかんない!なんで人のために体をはれるんだろう?」

ーーあの子はどれくらいもつかなぁ?ーー


茉莉が泣く姿をみながら、フォルスは笑っていた



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