謎の男の子
「君は、どうしてもその子を助けたいんだね。」
「っ、そうだよ!」
なんで、なんで瑠璃が巻き込まれなきゃいけなかったの?私が、私が死ねばよかったのに……!瑠璃が居なくなるくらいなら、いっそーー
「まぁいいや」
「君、名前は?」
「…茉莉」
「そっか!マリって言うんだね!」
だからなんだ。早く、瑠璃を助けないと、まだ、まだ間に合うかもーー
「あぁ、そうそうマリ」
「…なに」
「その子を助けたいんだったら、僕と契約してよ」
「…は?」
何言ってるか理解が追いつかない。契約?なんで?契約して瑠璃を助けられるの?本当に?
「…アハハ!意味わかんないって顔してる!」
「君にはね、僕と契約して魔法少女になって欲しいんだ!」
「魔法…少女」
(どこのアニメの世界なんだろう。そんなの、無いと思ってたんだけどなぁ……)
でも、瑠璃の腹を貫いたあの"ナニカ"を見てしまうと、妙に納得する自分もいる。
「もちろん、無理にとは言わないよ」
「魔法少女は、大変だからね」
その少年の笑顔が、とても怖く感じられた。なにか、地獄のそこにいるような笑顔。可愛らしく笑っているはずなのに、目が口が頬がどこか歪に笑っていて怖かった。
(多分、この話にのったら後悔する。でも)
「ーーいいよ。魔法少女でもなんでも、なってあげる」
「ーーそっか。じゃあ契約だ」
瞬間、少年の周りに青く光る魔法陣のようなものが出てくる。今までに見たことの無い文字がいくつも私に絡みつく。
「…汝は何を願う?」
「瑠璃を、生き返らせてーー」
「我が名はフォルス。汝の名は?」
「…茉莉」
目も開けられない程の光が私を包む。それは一瞬のような、もっと長いような、そんな気がした。
「これで、契約は完了だ。」
「君の能力はヒールだね。自分にも相手にも使えるよ。」
「ヒール……」
瑠璃を、助けられるかな
(でも、やるしかないよ)
息を吸って緊張を落ち着かせる。まだ自分に瑠璃を生き返らせる能力があるとは限らないでもーー
「っあ、そうそう。その子ヒールじゃ生き返んないよ」
「っえーー?」
「まぁヒールは傷とかの話だから、死ぬってなると話が違うんだよね」
「っじゃあ瑠璃は!」
「大丈夫、ちゃんと生き返るよ」
「ただ、君がいないと死ぬってだけさ」
「ーーは?」
「この方法は別の何かに瑠璃の魂を移す形で完成する。だから体と物が離れると魂は消滅するし、君が術をかけ続けなければそのまま死ぬ。それだけの話さ」
生き返るわけじゃ、ないーー
術をかけ続けるってどういう事?もしかけれなかったら瑠璃は、
「…いいよ。やってあげる」
それで瑠璃が救えるならーー




