表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

ヒール


「る、瑠璃……?なんでここにいるの?」


おかしい、さっき確かにバイバイしたはずなのに。なんでなんの反応もないの?私の声が聞こえてないみたいなーー


(とにかく、瑠璃はここに居たら危険だ)

1歩ずつ瑠璃に近づく


「瑠璃?ここはちょっと危ないから一緒に帰ろーー」


ドスッ


「ッ?!る……り…?ゴフッ」


何が起きたのか。でも確かにわかるのは今瑠璃は笑っている。私の腹を貫きながら。


(刺さってるの、この前瑠璃が刺されたのに似てる)


「ぅぁ、ゲホッゴホッ、うぷ……」


それが私の腹から離れる。口から血が止まらない。お腹にはぽっかり穴が空いている。糸の切れたマリオネットのように地面に崩れ落ちる。


(…ぁ、これ死ぬやつだ……)


でも、私はここで死ぬわけにはいかないの。瑠璃が長生きできるように。目の前に居るのは、きっと瑠璃じゃない。こんな所で死んでたまるか。


ヨロヨロと立ち上がる。立つのですらやっとだ。判断が鈍ってる。


「っ、ヒール……!」


金色の光は腹の痛みがなかったかのように塞いでくれた。倒す。この怪物を、私は今倒さなきゃいけない。


「っ、ふんっ!」


ステッキをハンマーに変え瑠璃の見た目をしたそいつを叩く。地面はヒビが入ったけど、当の本人はピンピンしてる。なんなら避けてるし。


「ッぅあ……?!」


ボトリ。

私の腕が切り落とされた。地面に転がった私の腕は、こいつに敵わないことを示唆しているようにも見えた。


(そうだよなぁ……。多分、死んぢゃうよなぁ……。)


じわりと涙で視界が滲む。でも、あいつは待ってくれないから。最後まで戦うしかないのよ。


「ヒール」


ハンマーを剣に変える。あいつも、私の腹を貫いたそれを剣に変えた。正々堂々となのか、舐められているのか、


「ははっ」


ガキン、ガキン

お互いの剣が当たる度に火花が飛び散る。怪物は、私の四肢を、指を、腹を何度も何度も何度も何度も飛ばす。あぁほら今も耳が飛んだ。


「ッヒール!!」


ヒール


ヒール


ヒール


ヒール





ヒール



何回言ったのか分からなくなった頃、怪物の体制が崩れた。


(ーー今!!!)


「っ、ふんッ!」


魔力の糸で怪物を拘束する。抵抗が激しい。どんどん糸が切られる。もっと、もっと強く、固く、しなやかに……!!


「ゴプ」


血が止まらない。魔力がもうないんだ。こいつを、殺さなきゃ。殺して、魔力の回復を……



そこからは、あんまり記憶が無い。何度も、何度も何度も何度も何度も刺して、切って、貫いて。自分が自分じゃ無くなるように思えた。

気がついた時には、もうそこには何も無くて。でも確かに、肉を、筋肉を、骨を割くような感覚が手から消えない。


「……ゥプ」


ボタリ、ボタリ、口から血が止まらない。でも魔力はだんだんと体の中に入ってくる感覚がした。


「たおしたんだ……本当に」


もう立っているのも限界だった。そのまま地面に崩れ落ちる。ふと周りを見ると、そこら中に散らばっていたはずの私の肉片や、地面のヒビは元から無かったかのように姿を消していた。


「かえら、なきゃ……ねむ…」


何とか家に帰った記憶はあるけど、母曰く玄関に入るやいなやすぐに寝てしまったらしい。

ゲシュタルト崩壊しそうだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ