『側近高橋 〜十七条ギャルと血反吐の和〜』
【登場人物】
•聖徳太子(セイント☆プリンス・ショウトク)
仏も怯える天才政治家。だが娘にだけは勝てない。
•いちご姫(通称:いちご太子)
飛鳥のトレンドを担う、わがまま全開・超感覚ギャル。推し仏は如来系。
•側近・高橋
飛鳥の朝に吐血する忠臣。太子に振られた無理難題を、血と根性で史実に変える男。
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【本編】
時は飛鳥。
まだこの国に「律令」も「システム」もなかった時代。
その日、聖徳太子は深刻な顔で高橋を呼びつけた。
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「高橋……いちごがまた、変なことを言い出してのう……」
「またですか……。今回はどのような……?」
「**『うちらさ〜、政治ってマジ空気悪くない?』**と申しておる……」
「ほう……(まあ、確かに)」
「それで、『なんか十七条の憲法ってダルくね?十七条のギャルルール☆作ってよ』と……」
「フゴァアアアアア!!!!」
「高橋、頼む。国をまとめつつ、ギャルの言い分も取り入れた新憲法を作れ……」
「なぜわしだけがこの血を……!!!」
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【いちご太子の十七条(原案)】
高橋は震える手で、いちご姫が提案した条文案を広げる。
第一条:ピースは和で撮れ(※プリクラ精神)
第二条:先輩まじリスペクト!ガチ卍
第五条:無断欠勤はガチ冷める〜NGで
第十条:仏って神じゃね?スピってるぅ〜
第十七条:てか、うちの言うこと聞いて?ヨロピク
「……こんなものを元に、史実に残る憲法を作れと……?」
高橋は血を吐きながら、どうにかこうにか“ギャルの精神”を昇華させ、本当に「和を以て貴しとなす」十七条憲法を練り上げた。
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【使節団事件】
「父上〜? うち、最近海外ガチ気になる〜。インフルエンサーとかヤバくね? “隋”ってバズってるっしょ?」
「また始まった……」
「隋にフォロー返しさせたくね? てか、使節とか言って真面目ぶるの冷める〜。**『おしゃれ使節団☆インスタ蝦夷ン』でお願いッ!」
「フゴォッ!!!」(血)
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高橋、止まらぬ血を押さえつつ考える。
(……このままでは、隋の皇帝・煬帝に“なめられたヤバ垢”としてBANされる……)
そして血と共に脳が閃いた。
「そうだ、“日出ずる処の天子”とド派手に名乗って、公式認証アカウント感を出せばいい……!!」
こうして生まれたのが、あの有名な国書:
「日出づる処の天子、日没する処の天子に書を致す。つつがなきや」
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【エピローグ】
こうして、「十七条憲法」と「遣隋使」という飛鳥の大改革はなされた。
ギャルの無茶を、理論で整え、血で成立させた男——高橋。
太子はふとつぶやく。
「高橋よ……和とは……何かね?」
「……ギャルと共に歩む血反吐の日々にございます……ゲフッ……」
「んじゃ次、**“飛鳥ビットコイン構想”**ね!デジタル通貨で令和までバズらせよ〜!」
「フゴォオォォォ!!!!」
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〜完〜