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「いいか、あの2人の住んでるアパートは突き止めた」

「な……なあ、やめようよ」

「大丈夫だ。魔法少女は本当は魔法なんて使えない。脅迫すれば何とかなる」

 俺はカラオケ屋の一室で中島の杜撰にも程が有る計画を聞かされる羽目になった。

 学校で使ってるタブレットPCが、カラオケ・ルームのモニタに接続され、「魔法少女肉奴隷化計画」という文字がデカデカと……しかも、モニタは部屋の外からも見える位置だし……やめて、たすけて、もう、俺、半分は犯罪者だよ。

 ああ、畜生、中島が何かやって、警察に捕まったら……ああ、こいつ、絶対、俺も仲間だとか言い出すぞ……。

 嘘でも何でもなく、本気で、俺も仲間だと思っている。

「俺も共犯者だと思ってるのは、こいつだけです」

 とか言っても……中島を嘘発見器にかけたら、どんな結果が出るか……。

 SNSで誰かを論破する時に使う何かのマンガのコマ「お前ん中では、そうなんだろ。お前ん中ではな」の最悪パターン。あの画像をSNSに貼り付けてきた奴ら(俺含む)が誰1人想像してなかった意味の「お前ん中では、そうなんだろ。お前ん中ではな」が、今、爆誕しようとしている。

 そう信じてる以上、中島にとっては「この池田って奴は共犯者だ」が本当で、「この池田って奴は共犯者じゃありません」が嘘になる。

 嘘発見器でも魔法でも見抜けない、俺にとっては大嘘、こいつにとっては真実。

「あいつらは、帰りが遅い。どうやら、学校が終った後に『魔法少女』活動の打ち合わせや練習をやってるらしい。アパートは学校から自転車で二〇分以内だが、帰るのは、学校が終って3時間後だ」

「毎日、そうなのか?」

「ああ、俺が確認した日は約3時間後だった」

「え……えっと……その『俺が確認した日』って、英語だと単数形? それとも複数形?」

「何が言いたい?」

「他の日は、2時間後とか4時間後なんて事は……その……」

「その時は、その時だ。学校終って、すぐに、あの2人のアパートに行けばいい。それから、何時間でも待つ」

「部屋番号は判ってるの?」

「そこまでは調べてないが、臨機応変にやればいいだろ」

「アパートまでは判ってるとして、その後は?」

「エロゲで、散々、色んなパターンを知ってるだろ。俺達が知ってる中から、細かい状況に合わせて、最適な方法をだな……」

「エロゲと現実は違うぞッ‼」

「そんな筈は無いッ‼ SNSのインフルエンサー達は、エロゲこそが最高の性教育だと言ってるッ‼ エロゲが嘘ばっかなら、最後の最後で、穴が思ってたのと違う場所で、どこに入れたらいいか判んない、なんて事になるとでも言うのかッ⁉」

 ごめん、ガチで一〇〇%巧く行っても、最後の最後で、そんなオチになりそうな気がしてきた。

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