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「はぁ? あんた、何言ってんの?」

「いや、だからさ……」

 我ながら、無茶苦茶な頼みなのは判っている。

 けど……。

「フリでいいから、中島と付き合ってくれ」

「あのさ、あんたみたいなタイプは、『付き合ってるフリ』の筈が、いつの間にか『本当に付き合ってる』と思い込んじゃうでしょ」

 土屋から……冷い一言。

 ええっと……そんな事は……。

「特に、中島は、あんたみたいなタイプの中でも、一番、タチが悪そうな奴でしょ」

 あ……たしかに……。

「あんたも十分にキモいけど、あいつは、もっとキモい。あんたは妥協可能なレベルのキモさだけど、あいつは妥協不可能なレベルのキモさ。判った?」

 そ……そこまで……言うか……。

「でも、あいつ何か、感付いてるみたいだから……」

「口を封じればいいの?」

「何で、そうなる?」

「じゃ、プランBは何?」

「仲間にする」

「問題外」

「何で?」

「あんたは情報の授業の成績はそこそこだけど、あいつはテストの(たび)に赤点で追試」

「いや、あいつ、ネットなんかは……」

「情報の成績がクソ悪いクセに、ネットの事を良く知ってて、SNSなんかを使い熟せてるって言うの? それ、本当? それとも自分でそう言ってるだけ? それってさ、自分を善人だと思い込んでる犯罪者か、自分を現実主義者だと思い込んでるマヌケみたいなモノじゃん。フツ〜の犯罪者や単純なマヌケより、タチ悪いよ、そんなヤツ」

「じゃあ、どうすればいいんだよ?」

「あのさ、私達、マズい事に巻き込まれてんだよ。いや、あんたを巻き込んだのは私だけど、あんたも一〇〇%(ひゃくぱー)潔白じゃないでしょ」

「そりゃそうだけど……」

「そんな事態に、何の覚悟も出来てないマヌケを更に巻き込むの? キモいマヌケでも、私のせいで知ってる奴が死んだら嫌だよ」

「じゃ、どうするの?」

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