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 更に翌日の昼頃、Maeve(メッセージ・アプリ)に土屋からの伝言が入っていた。

 補修授業の後に、話したい事が有るらしい。

「何だよ?」

 待ち合わせの場所は……有りがちにも程が有る体育館裏。

「杏の親類が見付かってさ……事務所の方で、安全の為に、杏と私を、そこに預ける話が出たんだけどさ……」

 えっ?

 喜ぶべきか……泣くべきか……。

 府川さんの安全は確保されるって事か……。ついでに、土屋の安全も……。

 でも、府川さんとは当分会えない。

 ああ……この間の……Q大の大学院生の家か……府川さんの従兄弟とか言う……。

「でも……問題が1つ。これ、見覚え有るでしょ……」

 そう言いながら、土屋は携帯電話(ブンコPhone)の画面を俺に見せ……。

 えっ?

 えっ? えっ? えっ?

 おい、これッ‼

 気が弱そうな恐竜の顔になってるフード。

 フードのテッペンから()()にかけて……タテガミのような飾り。

 コスは迷彩模様。

 顔には目の部分が小型カメラになってる……「横からだと恐竜の顔に見えない事もない」って感じのマスク。ご丁寧に肉食恐竜の口に見えるように、両耳の辺りから顎にかけて牙みたいな飾りが何個も付いてる。

 頬にはガスマスクらしい部品。

 胸と手足には防具……。

「こ……これ……?」

「似てるよね。この前、現われた連中に……。こいつは、去年の終りに久留米に現われた新顔の『正義の味方』。技量(わざ)はともかくパワーは無茶苦茶だって事以外は、ほとんど判ってない『魔法使い』系。そして、見付かった杏の親類が住んでるのも久留米」

 ああああ……おい……まさか……。

「よりにもよって、逃げようとした先が、私達に喧嘩を売った連中の御膝下って可能性が高い訳。はい、逃亡先候補その1が、のっけからNG」

「ちょ……ちょっと待ってよ。『正義の味方』の久留米チームって確か……」

「最悪も最悪だよ……。下手したら……私達……日本各地の『正義の味方』の中でも九州最凶最悪の連中に喧嘩売られた可能性が有るんだよ……」

 いや、日本最凶最悪って話も有るよ。少しも慰めになってないけど。

「そ……その割には……その……」

「ヤケになって、開き直るしかないでしょ、こんな状況ッ‼」

 九州三大暴力団の1つ「安徳ホールディングス」……それを去年の一二月に叩き潰したばかりの奴ら……そんな無茶苦茶な連中が何で、同じ福岡県とは言え、遠く離れた北九州の「魔法少女」を狙ってんだよッ⁉

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