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俺は、謎の恐竜コスの女と、それを追い掛ける魔法少女のマネージャー達を、更に追い掛け……。
「えっ?」
えっ?
えっ? えっ? えっ? えっ?
ええええええッ?
何じゃこりゃ〜ッ⁉
恐竜マニアの集会か何かかぁ〜ッ⁉
って、まさか、この為に、あの色々と変な目立つコスプレをやってたのかよッ⁉
そこに居たのは……迷彩模様の恐竜パーカーを着たヤツがゾロゾロと……十人近く……。
ご丁寧に、全員のパーカーに尻尾付き。
どいつが、さっきの奴だ?
魔法少女のマネージャー達も完全に固まって……そして……。
恐竜コスの連中は、2人1組になって、四方八方に散っていく。
「ど……どれを……追えば……?」
小倉の魔法少女チーム「セブン・オブ・ヘブン」のマネージャーは、府川さんと土屋のマネージャーに、そう訊いた。
「理由は、後で話す。あたしは、あいつらを追う。あんたは、あっちを追って」
「は……はい……」
俺も、府川さんと土屋のマネージャーを追い……。
どんどん……小倉城内でも、木なんかが多い、休日なのに人があんまり居ない場所に……。
そして、2人の恐竜コスプレの奴は立ち止まり……。
「貴方達、何者? 何のつもりよ?」
「訊きたいのは、こっちだ。魔法少女とは何だ? ヤー公の小銭稼ぎの芸能興業なら何もするつもりも無かったが……どうやら、ガソリンが撒き散らされた場所で火遊びをするような危険な真似をやってるようだな」
若い……女の声……。でも……何か……妙だ。
機械か何かで変性されてるような……。
「何を言ってるの?」
「おい、バックレんな。あたしの仲間がやった事が、『魔法使い』系が同業者にやったら喧嘩売ってるも同じ真似だって判ったクセに、素質だけなら、かなり上の方だが、半端な修行しかしてねえ『魔法使い』がどんだけ危険か知らねえ訳ねぇ〜だろ」
こっちも……女の声。
そして、こっちも機械とかで変性か何かをやってる。
2人の恐竜コスの奴は、振り向き……。
目には、ゴッツい……化学実験用か機械作業用らしいゴーグル。それもミラーグラス。
口元には簡易タイプだろうけど……ガスマスク。
顔は全く見えない。
「しっかし……自分でも下手な喩えだと思うけどさぁ……」
「何だ?」
「どこの世界に、こんな馬鹿な話が有るんだ? 格闘技で喩えんなら……ド三流の選手のマネージャーが試合に出りゃあ二流の上か一流の下ぐらいの実力が有りそうなんてよぉ……」
えっ? どう云う事?




