表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/20

12.君の故郷だ。

「ルールは絶対だ」というこの言葉が、第二の「ゲーム」にも当てはまるのなら、マスクに書かれているものが解決策だ。


しかし、どうやってそれを解くのか?


魚叉はいつ発射されるのか?


「時計は一刻も止まらない」……


もしかして、1時15分?


夏彦はデスクの上の時計をちらっと見た。今は1時5分だ。「1時15分」が魚叉発射の時間なら、残りは10分もない。


「故郷の方向に100回回転する」……


そこにいる9人の故郷はそれぞれ異なるし、「100回転」も少なくない。


考え方を間違えれば、この10分を無駄にしてしまう。


しかし、この部屋の中で、自分以外に「回転」できるものは何だろう?


夏彦の視線はデスク中央の時計に留まった。


彼は身を乗り出して時計に手を伸ばし、軽く触れてみたが、それがしっかりとデスクに固定されているのに気づいた。全く動かせない。


「時計は動かせない、なら椅子か?」


夏彦は自分の下の椅子を見下ろした。それは古びた、カビ臭い普通の椅子で、ただ床に無造作に置かれているだけで、何の仕掛けもない。


そうであれば、残るのは……


夏彦は手を伸ばし、デスクを回してみた。すると、デスクの内部からかすかなチェーンの音が聞こえてきた。


しかし、デスクはとても重く、彼は大きな力を使ってもデスクを数センチ回すことしかできなかった。


「100回転……」


この数字は、2、3人だけでは到底達成できない。場にいる9人全員が協力してデスクを回す必要がある。そうすれば、かすかな生存の希望が得られるかもしれない。


林檎は夏彦の動作に気付き、皆を止めた。


皆はデスクのそばに行き、それが本当に回転できることを確認した。


「さすがだな、詐欺師。」直樹が頷きながら言った。「このデスクを100回回せば、見えない扉が開くはずだ。」


夏彦は時計を再度見た。時間が迫っているが、今の問題はより明確になった。


この円形のテーブルを「故郷」の方向に100回回転させる。つまり、答えは二つ。


左か、右か。


しかし、皆の故郷は東南西北の各方位にある。どうやって左か右かを確定できるのか?


「夏彦、魚叉がいつ発射されるかもう知っているのか?」林檎が口を押さえて尋ねた。


「ヒントには『一刻も止まらない』と書いてあるから、恐らく1時15分だと思う。」夏彦が小声で言った。


直樹は顔色を変えた。「それじゃあ、残り10分もないってことだ!早く始めよう!」


中野医師は、テーブルに伏せている死体をどけ、ゆっくり座り直してデスクの重さを試して言った。「でも、私たちは一度だけのチャンスしかない。こんなに重いテーブルを100回回すなんて、もし間違った方向に行ったらどうする?」


「それでも生存の可能性は50%だ!」直樹は焦って言った。「動かなければどうせ死ぬ。回せば50%生き残る可能性がある。急ごう!」


そう言うと、彼は全力を尽くしてテーブルを左に回し始めた。


直樹は見た目は細身だが、非常に力強く、一人でテーブルを半回転させた。


「まだ動かないのか?!早く手伝え!」直樹が皆に叫んだ。


残りの人々は、直樹の言うことが正しいと知り、一時的に彼を手伝って回し始めた。


今、正しい答えはまったくない。賭けるしかない。


しかし、夏彦はずっと動かなかった。


彼は考える方向がどこにあるのかわからなかった。


左か、右か?


なぜ「故郷」がキーワードなのだろう……?


皆日本人だから「東方」なのか?


上北下南、左西右東、答えは「右」?


では、西側に住んでいる人はどうするのか?


あるいは、場にいる人々の故郷が春秋時代の「左伝」に関連していて、答えは「左」?


夏彦は目を閉じて、二体の死体を自分の前に置いて遮ろうとしたが、他の人全員が死んでしまったら、次のゲームが来たときどうするのか……。


「今は彼らを見捨てる時ではない。」


夏彦は心の中で呟き、手を伸ばして回転するテーブルの上から一枚の白い紙をつかみ、ペンを取って立ち上がり、一つの空き場所に座って何かを書き始めた。


皆は少し不思議に思ったが、手の動きを止めることはなく、今までにすでにテーブルを十数回転させた。


「彼が自己紹介で『詐欺師』と言わなければ、あの人が数学者だと思っていたよ。」直樹がそばの青木に言った。

青木は少し自転して目が回りかけ、ただ生返事で頷いた。


今度の夏彦は縦式を示すことなく、紙の上に大まかな国の地図を描いた。


「故郷……?」


彼の頭の中で急速に考えが巡り、突然何かに気づいた。


「待て待て……」夏彦は目を大きく開いた。「もし「主催者」の神通力がこれほどまでに広いのであれば、こんなに多くの省から似た経験を持つ人を見つけることができるなら、「省」も一つのポイントになるのか?」


彼は振り返り、回転するテーブルの周りにいる人々を見つめ、真剣に尋ねた。「さっき、誰かが『故郷』のことについて嘘をついた人はいるか?」


皆は首を横に振った。


結局、「故郷」は方言や表現習慣に関わるため、嘘をつくとすぐにバレてしまう。


「よし。」夏彦は軽く頷き、「今、皆の故郷をもう一度教えてくれ。」と言った。


石井警官が最初に言った。「私は北海道です。」


夏彦は内モンゴルの位置に黒い点を描いた。


「私は熊本出身です。」弁護士の晨沢が冷たく言った。


「私は東北にいます……」玲が言った。


「熊本です。」幼稚園の青木が言った。


「大阪です。」直樹が言った。


「静岡出身です。」心理カウンセラーの林が言った。


「私は横浜で働いています。」中野医師が言った。


夏彦は皆の故郷を地図に一つ一つマークし、自分の「東京」と書き加えた。


その瞬間、全員の視線が作家の市川秋人に集まった。彼は最初から自分の故郷を言っていなかったからだ。


「市川秋人、お前は沖縄か茨城か?」


市川秋人は驚いて聞いた。「どうしてわかったの?」


「時間がない、先に答えて。」


「私は茨城出身です……」


夏彦は頷き、今や韓一墨に残された省は二つだけだ。


もし彼の答えがこの二つのどちらでもなければ、彼は大きな嘘をついたことになる。


幸いにも、彼は本当のことを言った。


夏彦は最後の省も地図にマークし、草図には九つの黒点が描かれていた。


「やはりそうだ。」


夏彦は小声で言った。「早く止めて、右に回転させろ。」


「右?」


夏彦はデスクのそばに駆け寄り、白い紙をテーブルに投げ、反対方向にテーブルを回し始めた。


皆は少し戸惑ったが、彼に続いて回転し始めた。


中野医師はテーブルの上の地図とその九つの黒点を一瞥した。


「どうして『右』なんだ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ