表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキル【無限再生】が覚醒して世界最強になった ~最強の力を手にした俺は、敵対するその全てを蹂躙する~  作者: 八又ナガト
第二部 魂の共鳴

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/63

039 無貌の巨人

 4人を殺し、残るはたった1人。

 リーダーらしき男に視線を向けると、意外なことに不敵な笑みを浮かべていた。


 死が目前に迫り、気でも狂ったのだろうか?

 疑問を抱く俺の前で、男は口を開く。


「驚いたぜ、まさかこんな力を隠し持ってたとはな。だが、お前がはしゃげるのもここまでだ」


 そう言いながら、男は()()()()()()()水晶を俺に見せびらかしてきた。

 水晶からはただならぬオーラが醸し出されている。


「……マジックアイテムだな。気配的に、別の空間にでも繋がっているのか?」

「ああそうだ。だが、今さら気付いたところで遅い! 見ていろ、今から出現するのがテメェを惨殺する魔物だ!」


 男が叫ぶと同時に、水晶から漆黒の光が放たれる。

 数秒後、光が収まった時――そこには1体の巨人が出現していた。


 背丈は10メートルに近い。

 全身は灰色の肉で覆われており、強靭な腕が四本もついている。

 そして何よりの特徴として、その巨人には顔がなかった。

 いや、正確には顔自体はあるが――目、鼻、口、耳といった部位がなく、ただただ灰色に塗りたくられている。

 まるで子供が落書きした化物のようだ。


 俺たちは同時に魔物のステータスを確認する。



 ――――――――――――――


無貌むぼう巨人きょじん

 ・レベル:2500

 ・ダンジョンボス:【かみ土塊つちくれ


 ――――――――――――――



「そんな! レベル2500なんて……!」


 まず、声を上げたのは後方にいるエルフの少女――イネスだった。

 その姿とレベルの高さに圧倒され、顔が青ざめている。


 続けて、反応したのは目の前にいる男。

 彼は興奮した様子で声を張り上げた。


「は、ははっ! これは予想外だ! 【かみ土塊つちくれ】といえば、いまだ未踏破のSランクダンジョン。まさかそのダンジョンボスを召喚できるとは!」


 男はそのまま、勝利を確信した表情で俺を見る。


「見たか! いくらお前が強かろうと関係ない! 俺たちに逆らった罰として、お前だけは絶対、道連れにしてみせ――」


 刹那、空中に数十の剣閃が瞬いた。

 遅れて肉が断たれる音が響き、灰色の血飛沫が周囲に散らばる。

 灰色の血液を持っている存在など、この場には一体しかいなかった。


『グッ、グォォォオオオオオ』


 断末魔の声と共に、その場で灰の霧となり霧散する巨人。

 場にはしばらく、静寂が続いた後――



「――――は?」



 リーダーらしき男が、あまりにも間抜けな声を漏らした。

 俺はゆっくりと男に近づいていく。


「茶番はこの程度でいいか?」

「……は? いや、え? ……待て、待て待て待て! テメェ、いったい何をしやがった!? 何で無貌むぼう巨人きょじんが、いきなり消滅して――」

「俺が殺した、ただそれだけだ」


 レベル2500は、この迷宮都市であっても最高クラスの水準だろう。

 だが、ネクロ・デモンに比べたら塵芥も同然。

 俺からすれば、1秒もあれば討伐に事足りる雑魚だ。

 

 そして今、目の前で尻もちをつくこの男は、それ以下の存在でしかない。


 男は信じられないとばかりに、細い目を大きく見開いていた。


「あ、ありえねぇ! 今のは超S級個体だぞ!? 大迷宮の深層を攻略しているトップ冒険者ですら単独では敵わない魔物だ! それを、お前のようなガキが圧倒するなんて、ありえるはずがない!」


 男の言葉を無視し、俺はさらに距離を詰めていく。

 男の前で立ち止まった俺は、骸の剣(ネクロ・ディザイア)を高く振り上げた。


「待て、落ち着け! 本当に俺を殺すつもりか!? 絶対に後悔するぞ! なにせ俺のバックにいるのは、あの――――」

 

 一閃。

 男の首が宙を舞い、残された体がぽとりと地面に落ちる。


「最後に何か言おうとしていた気がしたが……まあ、いいか」


 俺は骸の剣(ネクロ・ディザイア)を数度振るい、付着した血を払う。

 そして振り返り、イネスに顔を向けた。


「終わったぞ」

「…………」


 しかしイネスは呆然とした表情を浮かべるだけで、返答は返ってこない。

 彼女が我に返るまでもう少しかかりそうだ。


 何はともあれ、これで男たちとの戦い(もとい、一方的な惨殺)は幕を閉じるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 最強とはこうでなくては!
[良い点] 最高です [一言] いつも更新が待ち遠しいです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ