表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/63

015 もう1人のユニークスキル持ち

 Cランクダンジョン【蜥蜴の巣穴】。

 交易都市トレードヘブンから程近くにあるその場所に、()()()()()()()()()()()()()()一組の冒険者パーティー【黎明の守護者】が存在していた。


 先頭を歩くのは、リーダーである剣士のアルト。

 そこに続くのが戦士のガレン、聖女のシエラ、賢者のセドリック。


 そして最後にもう1人――彼らの最後尾には、血のような深紅の髪と翡翠の瞳を持つ少女がいた。


()()()、ついてこれているか?」


 アルトの問いに、クリムと呼ばれた少女はこくりと頷く。


「はい! 大丈夫です、アルトさん!」

「そうか、だったらいい。ただ本当に疲れた時は早く言えよ、()()()()()()()()()()()()()

「分かりました!」


 自分を気遣ってくれるアルトに対し、クリムは心から尊敬の念を抱く。

 そこでふと、彼女は自分のステータスを確認した。



 ――――――――――――――


 クリム 16歳 レベル:94

 称号:なし

 HP:940/940 MP:286/286

 攻撃力:200

 防御力:200

 知 力:220

 敏捷性:170

 幸 運:150

 SP(ステータス・ポイント):0


 ユニークスキル:【血紋操使(けつもんそうし)

 通常スキル:なし


 ――――――――――――――


 【血紋操使】

 ・ユニークスキル

 ・MPを消費することで、自身の血液を自由自在に操ることができる。


 ――――――――――――――



()()()()()()()()の私が【黎明の守護者】に入れてもらえるなんて、ほとんど奇跡だよね)


 そんなことを考えながら、クリムは今日に至るまでの出来事を振り返り始めた。



 もともと、クリムは孤児だった。

 身寄りのない彼女がこの世界で生きるための方法は限られている。

 クリムが実力主義と言われる冒険者を志したのは、極めて自然な流れだった。


 そして運命の2年前。

 神からステータスが与えられる信託の日、クリムは奇跡的にユニークスキル【血紋操使】に目覚めた。

 ユニークスキルの多くは通常のスキルに比べて非常に強力であり、クリム自身、冒険者としての将来が約束されたのだと歓喜した。


 しかし、現実は非情だった。

 ユニークスキル【血紋操使】はいわゆる()()()()()だったのだ。

 

 自分の血液を操れるという文言だけ見れば、確かに強力なスキルに見えるかもしれない。

 しかし実際は違った。僅かな血液を操るだけでも大量のMPを消費することに加え、自身の血液を使用していることからスキル発動後は貧血に襲われる。

 さらにはこれだけのデメリットがありながら、威力もその辺りの初級魔法と大して変わりないという有様だった。


 冒険者として成功の道が断たれ、クリムは絶望した。



 ――――しかし神は、そんな彼女を見捨ててはいなかった。



 なんと、当時からトレードヘブンで名を轟かせていたパーティー【黎明の守護者】のリーダーであるアルトが、直々にクリムを勧誘してくれたからだ。


 その瞬間、クリムの運命は大きく変わった。

 有力パーティーの荷物持ち(ポーター)を務めることによって生活が保障されるばかりか、アルトたちはクリムのレベル上げにも付き合ってくれた。

 そのおかげで、才能がない彼女でもたった2年で94レベルまで到達することができたのだ。


 クリムは尋ねた。

 どうしてこんな自分に対し、ここまで親切にしてくれるのか。


 その問いに対し、アルトは笑みを浮かべて言った。



『昔、このパーティーには他にもユニークスキル持ちがいたんだ。残念ながら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()……彼がいなくなった直後にクリムと出会えたのは、まさに運命――神の思し召しだと思ってね。君のような若い才能を育てることも、俺たち先輩冒険者の役目なんだ』



『第二章 復讐の時』編、本編開始となります。

【黎明の守護者】パートからの始まりにはなりますが、先の展開に期待しながらどうぞお楽しみください!


【大切なお願い】


本作をお読みいただきありがとうございます!

読者の皆様、もしよろしければ、



・ブックマークに追加

・広告下にある「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」に



この二つを行い、どうか本作を応援していただけないでしょうか?

ランキング上位に入れば、より多くの方に本作を知ってもらう機会になります。

私自身、第二章の復讐編をより盛り上げるためにも、多くの読者様に読んでいただきたいと思っております!


これから執筆を頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ