表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第一話 普通のオカマ

私はレディ・ワスプ。どこにでもいるしがないオカマのJKよ。

今日は高校の入学式、絶対に遅刻したらいけないのに朝目が覚めたら8時だったの。目覚ましのスヌーズ機能を使おうとして押しつぶしちゃったみたい。仕方がないから食パンを食べながら学校まで猛ダッシュしているのよ.

そしてしばらく走って十字路に差し掛かった時、事件は起こったの。曲がり角から私好みのイケメンが出てくる...なんてうまい話があるはずもなく、曲がり角から出てきたのは大きなトラックの群れ。あらあらうっかりトラックの巣に入ってしまったみたい。私のようなか弱いJKにはどうしようもできないわ。どうか来世ではイケメンとあんなことやこんなことができますよに...そう祈りながら目を瞑って衝突を待ったのだけれど、一向に痛みが襲ってくる気配はない。恐る恐る目を開けるとそこにはトラックではなく、見慣れた制服を着た男子高校生の姿があったの。これは運命ね!

「大丈夫ですか?レディ」

「えぇ大丈夫です。貴方のお陰で助かりました」

「いえいえお気になさらず。それじゃ僕は急いでいるんで失礼します!」

「あぁちょっと待ってください」

私は彼の腕を掴み、強引に引き寄せてキスをした。これが私のファーストキス、相手はイケメンの男の子、私にとってはこの上ない幸せだわ。唇を離すと彼は驚いた顔を浮かべていたけど、すぐに顔を赤く染めた。可愛い反応をするじゃないの。もっとイジメたくなっちゃう。

「今度会うときはちゃんとした場所で会いましょう。それじゃまたね。」

その直後、

「あなたは罪深い人だ...」

とつぶやく声が聞こえ背中に軽い衝撃が走ったの...

背中からナイフで刺されたのね。

「そんな、どうして...」

あのイケメンの彼に私は殺されちゃったみたい。でも私らしい最後よね。さっきの彼がこちらへ駆け寄ってきた。そして私の体を強く抱きしめた。あぁこれで私は彼と一緒に天国へいけるんだわ。神様ありがとうございます。

こうして私は死んだ。

◆ ここはどこ? 真っ白で何も見えない。それに体が浮いているような感覚もある。もしかして死後の世界なのかしら。

「ご名答〜」

どこからともなく聞き覚えのある男の声が響いてきた。まさかと思い後ろを振り向くと、そこには見知った男が立っていた。

「久しぶり〜元気にしてた?」

「貴方は誰?なぜここにいるの?なぜあなたは私を殺したの?」矢継ぎ早に疑問を投げかけると男は笑みを浮かべながら答えてくれた。

「順番に説明してあげるよ。まず僕の名前は佐藤太郎だよ。君とは高校の同級生だったんだけど覚えているかな?」

「高校の同級生?私が知っているのは貴方の顔だけよ。だって今日は私の入学式よ学校はまだ始まってすらないじゃない。」「そうだね。君はもう死んでいるんだよ。だから記憶が改ざんされているのかもね。」

「そういえば貴方は私の目の前に現れた時、私の名前を呼んだわよね?なんで名前を知っているのよ?」

「それは僕が君のことが好きだったからだ。」

「嘘よ。私は貴方なんか知らないもの」

「うん知ってる。だって僕の初恋は中学2年生、つまり今の君なんだから。」

「信じられない。」

「信じてくれなくてもいいよ。それより本題に入ろうか。単刀直入に言うと、僕はもう一度人生をやり直したいと思っているんだ。そこでお願いがあるんだけど、協力してくれないか?」

「いいわよ」

私は即答した。だってイケメンくんと一緒に暮らせるチャンスだもん。断る理由がないわ。

「あれ?随分と素直じゃないか。もう少し渋るかと思ったんだけどな。まあいいか。それじゃ早速だけど死んでもらうね。」

「えっ!?」

どういうこと?ここは死後の世界じゃなかったの?「正確には違うけど似たようなものだと思ってくれればいいよ。それで死んでもらう理由はこれから行く世界で勇者として召喚される予定になっているんだ。」

「なるほど、お約束のパターンなのね。」

「大丈夫。すぐに終わるから。」

そういうと私の体は白い光に包まれていった。「それじゃあ行ってらっしゃーい」

最後に見た彼の顔はとても楽しそうだった。

◆ 気がつくと私は見知らぬ森の中にいた。辺りを見渡しても木しかない。これは困ったことになったわね。

「とりあえず歩いてみるしかなさそうね」

しばらく歩くと全裸のハンサムな男がいたわ。なんて素敵な光景なのかしら。

「こんにちは。お姉さん」

「えぇこんにちは。お兄さん」

「おやおや、僕のことをお兄さんと呼んでくれるんですね。嬉しいです」

「お兄さんのことはお兄さんと呼ぶべきでしょ」

「ところでお兄さん私といいことしないかしら?」

「えぇもちろんですよ。お姉さん」

その言葉を聞いた瞬間私は彼を押し倒したわ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ