始まりの街スタット編36 新たなる街に向けて
ぼくがシロノちゃんを作ってからしばらく経って二週くらい経っただろうか…
ぼく達はあれからスタットでクエストをしたりぬいぐるみを作ったりした。ぬいぐるみ作りで一つわかったのはグルミンにする場合には対象のぬいぐるみに愛を込めて名前をつけてあげる事だとわかった。なので、ぼくは作ったぬいぐるみに余り名前をつけない事にした。たくさん作ったのにそれが全部、転生時の様にいなくなったら悲しいからだ。
冒険者としても変化があった。どうも、ジャビットキングを倒した事でぼく達の冒険者ランクがAになってしまった様だ。その事自体はいいのだが、あまりにも早すぎるランク上昇に他の新人冒険者からは白い目で見られている。確かに、ぼくも普通じゃないと思うけどそんなあからさまな反応をしないで欲しい。………普通に傷つく。
まぁそんな事をしながらもコツコツとお金を貯めてそれなりに食料と衣類等もそろってきたし、そろそろ新しい国にでも行ってぼくの行方不明になった家族達を探さないといけない。
「ソラ、私の方はおおかた準備できたぞ。そっちはいいか?」
「うん、こっちも大体。それじゃ旅立つ前に一旦街の人達にあいさつしに行こうか」
そう言ってぼく達はまず冒険者ギルドに向かった。
「………という事で少しの間ですがお世話になりました。ぼくは家族を探さないといけないので……」
「ソラにユメハ、元気にね。あ、そうだアタシからコレをやるよ」
そう言ってサラさんはぼくに封筒を渡した。
「これは?」
「こいつは紹介状さ。きっとアンタ達みたいなヘンテコなパーティだといろんな街でケンカとか事件に巻き込まれそうだからね。これをギルドやお偉いさんに見せれば少しでも味方が増えると思うわ」
「ありがとうございます。サラさん、それじゃぼくはここで」
「色々と助かった。また、何かあればソラと来る」
ぼくとユメハちゃんはそう言って冒険者ギルドを後にしようとすると
「おーい!!ソラの嬢ちゃん達!……嬢ちゃん達のおかげでオレは冒険者達と話せる様になったし、怖がられる事もなくなった。感謝しても仕切れねぇ……それなのにもう行ってしまうってのかよ……」
「イカッツさん、大の大人が泣くなんて恥ずかしいです」
「うるせえミツキ!!オレは涙脆いんだよぉ!!うぅっ、それじゃまたなソラの嬢ちゃんにユメハの嬢ちゃんに動くぬいぐるみ達!」
イカッツさんとミツキさんが追いかけて来た




