始まりの街スタット編35 シロノちゃん誕生
「よし、出来た!ぼくのぬいぐるみ!!」
ぼくはそう言って出来上がったぬいぐるみを持ち上げた
キュルル〜
モリンのお腹が鳴る
「キィ、お腹すいた」
「もうお昼か。それじゃさくっと作っちゃうね」
そう言ってぼくは一度出来上がったぬいぐるみを自分のベッドの上に置いて下のリビングでお昼ご飯を作った。今日は朝に買った野菜とお肉の炒め物にした。この世界に来てから分かった事なんだけど元々ぼくがいた場所と違ってここにはあまり調味料という概念はないみたいだ。もちろん味付けはあるんだけど醤油や味噌なんて手に入りそうにない、お米も買ってみたけど、薬品臭かったのでやめた。
ぼくはこの世界の事も嫌いではないけれど元の食文化が恋しいなと思い始めた。
そうだ、こんど大豆でも探しに行こうかな。豆腐とか枝豆とか色々食べたいし……
そんな事を考えながら昼食を食べ終えたぼくは自分の部屋に戻り出来上がったぬいぐるみのもふもふを探究しようと思い階段を駆け上がる
「キィも行く」
そう言ってモリンがぼくの肩に乗った。この子は恥ずかしがり屋さんでいつもぼくのそばにいたがる可愛い子だ。そういえば元いた世界の時もモリンはぬいぐるみなのにぼくがどこか行こうとすると落ちたりしてアピールしてた気もするなぁ
「さてと、お待たせぼくの新しいもふもふ」
そう言ってぼくは自分の部屋の扉を開けると先程作ったぬいぐるみが二足で立っていた
「待ってたんですの。おかえりですのソラ母様。シロノはソラ母様が急にどこかに行ってしまわれて悲しかったのですの……だから、たくさん愛してくださいお母様ぁ♡」
シロノと名乗るぼくの作ったぬいぐるみはグルミンというぼくの愛が人形に宿る事で生まれる生命体になっていた
「シロノ?なんでそんな名前なの」
「それはソラお母様が『シロノ・ウサギ』ちゃんができたとおっしゃったからですの」
「それは白のウサギ……まあいいや、よろしくねシロノちゃん」
「はいですの。シロノはお母様の為になんでも頑張りますの」
そう言ってぼくはシロノちゃんという新しいグルミンを作ってしまったみたいだ。まあ、かわいいからいっか。
そう思いぼくはシロノちゃんを抱きしめた
投稿が大分遅れてすみません、そろそろ新しい街の話を練ろうとしていたので一週間程間が空いてしまいました




