始まりの街スタット編34 ソーイング
「ぬいぐるみです」
ぼくはそう答えた。
「もしかして、その毛皮を使うつもり?」
ラクネさんはあり得ないと言いたげな顔をする。なぜだろう、質のいいもふもふが手に入ったらぬいぐるみを作るのが当たり前だと言うのに
「ま、まぁ人それぞれだものね。それと、ぬいぐるみを作るならこの針とここの糸、それから………」
店にある手芸道具の中からぬいぐるみ作りに適した道具を選んで裁縫箱に入れてくれた
「これなら初心者でも扱いやすいと思うわよ」
「ありがとうございます。ラクネさん、また来ますね」
「ええ、待ってるわ」
ぼくはラクネさんの店を出るとは紙を数枚購入して帰った。
「さてと、まずはどんなものを作るか絵を描こうか」
そう言ってぼくは紙にイメージを書いていく。元がでかいウサギだったし、モデルもウサギとしようかな。ぼくがそうやってイメージラフを描いているとユメハちゃんが起きてきた。
「おはよう、ソラ。早速ぬいぐるみ作りを始めてるんだね。ソラは本当にぬいぐるみが好きだね。ま、私はそんなソラが好きなんだけどね」
そう言ってユメハちゃんが抱きついてくる
「もぅ!いきなりやめてよ。ビックリするから」
「いいじゃないか。私とソラの仲だろ」
イチャイチャ♡
「コォラァ!!何朝からイチャイチャしてるモフか!!オイお前、ボクのソラから離れるモフ!!」
どうやら今日も騒がしいみたいだ
ロウカ達が起きてからしばらくたってぼくはようやく紙で人形を作りそこから型紙を作る作業に入った。結局、このぬいぐるみは変身ヒロインのマスコットの様なウサギにする事にした。
チョキチョキ
ぼくはハサミで型紙を切り分けていく。そういえば昔ぬいしろを作り忘れて変なぬいぐるみを作ったっけ。ぼくは昔の事を思い出しながらぬいぐるみを作っていく、
「最近学校が忙しくて中々作る暇なかったから楽しいな」
ぼくがこの世界に来るまでは高校が遠くに行かないとなかったので移動だけで大変だったし帰ったらぼくとユメハちゃんで家事をやっていてぬいぐるみを作るにもコツコツとやって一週間でも作らなかったくらいだった。でも、今はこの世界ではそんな事ないしたくさん作れそうだな。
そう思いながらぼくは縫っていく




