始まりの街スタット編33 そうだ、ぬいぐるみを作ろう
ぼくが街を気ままに歩いていたら手芸屋と思われる糸も針の絵の看板がついた店の前に着いた。
カランコロン♪
「すみません、ここは手芸屋で間違いないですか?」
「はいは〜い、間違いないですよ〜。ってあらぁ、かわいいお嬢さん達じゃない。どうしたのかなぁ?」
「実はぼく、ぬいぐるみを作ろうと思って……糸と綿は売ってますか」
「ええ、勿論売ってるわよ……なんたってここはアラクネ手芸店だもの。ワタクシはアラクネのクラネよ、貴女達は?」
「ぼくはソラです。こっちのオオカミのぬいぐるみはロウカでサメのぬいぐるみはジョーンズ、コウモリのぬいぐるみはモリンって言います」
「私はユメハだ」
「ソラちゃんにユメハちゃん……そしてぬいぐるみちゃん達ね。よろしくね」
そう言ってクラネさんはぼく達にお店を案内してくれた。
「ここには一級品から安物まで色々揃っているわ。もし、欲しいものが手に取ってカウンターに持ってきてね。そうそう、ウチは持ってきた毛皮を匂いを消して縫いやすいに加工できるからもし毛皮を持ってる場合はワタクシが受け取るわ」
「なら、これやってもらってもいいですか?」
ボスンッ!!
ぼくはジャビットキングの毛皮を渡した。
「これはジャビットキングの毛皮!?こんな滅多に手に入らない物を一体どこで?」
「それはまぁ、クエストでちょっと……」
「まぁ、任せて。でもこのサイズじゃ時間かかるからまた明日来てくれるかしら?」
「はい、また来ますね」
そう言ってぼく達はラクネさんの店から出て帰る事にした。
翌朝
ぼくは早くにラクネさんの店にやってきた。
「あら、早かったわね。でももうできてるわよ。これがジャビットキングの毛皮よ」
そう言ってラクネさんは白くてもふもふで触り心地の良い毛皮をくれた。
「魔獣の毛皮は一度加工しないとちゃんとした価値が出ないけど出たら高級品なんて目じゃないくらいいいものになるのよ」
「そうなんですね、それで料金の方は」
「そうね、銅貨十枚でいいわよ。お客様全員そうさせて頂いてるもの」
ぼくは銅貨を支払う
「はい、まいどあり」
「あの、手芸セットも欲しいんですけど」
「もちろんいいわよ。何を作るのかしら?」
「ぬいぐるみです」
ぼくはそう答えた




