始まりの街スタット32 こちら報酬になります
ぼく達は冒険者ギルドに向かった。
ガララン♪
「ミツキさん、クエスト達成しましたよ」
「ソラさん達、おかえりなさい。ではその達成の証拠になる物をお見せしてくれますか」
「はい、わかりました」
「ちょっと待て、ソラの嬢ちゃん。あのジャビットキングは巨大種だ。ここで出すとギルドが壊れちまう」
「クエストの討伐対象はジャビットキングだったんですね………って、ええ!?あのジャビットキングをイカッツさん達三人で倒したのですか!!しかも、三人で」
「そんなに強い魔獣だったんですか?」
「そんな感じはしなかったが」
「いや実はソラの嬢ちゃん達は結構危ない状況だったんだぞ。あれはSランク冒険者でも逃げないと死ぬレベルだからな」
ぼくは知らず知らずのうちにそんな危険な魔獣と戦っていたのか……
「この討伐結果はギルドマスターに報告しておきますね。ではこちらが報酬になります」
そう言って受付のミツキさんは銀貨がたくさん詰まった袋を渡した。
「えっと、この硬貨の価値がよくわからないんですけど……どれくらいの物なんですか?」
「私達に教えてくれませんか」
ぼくはこないだもこの銀貨をたくさん貰ったけど、これだけあっても価値が分からずまだまともに買い物が出来ていなかった。
「そうか、ならオレが教え……」
「イカッツさんには無理ですよ。貴方、こないだも計算間違えてたじゃないですか」
「なんだとミツキ!!……でもまぁ、オレよりは適任か。頼んだ!」
「はいはい。それでソラさん達が持っているその硬貨は一枚で贅沢しても大体食料が一週間は確保できるくらいにはあるお金です。なのでそれだけの枚数があれば冒険者としてなら好きなだけ自由に暮らしていけるでしょう」
どうやらぼくは一家の資産より多いくらいお金を手に入れてしまった様だ。でも、ぼく達はこれから各地を回るんだからそれくらい必要だよね。
「いやぁ、思わぬ稼ぎだったぜ。そんじゃオレはもう少しゆっくりしてから帰るぜ、またなソラの嬢ちゃん達」
そう言ってイカッツさんは去っていった。
別にこのお金をぜんぶすぐに使わないといけない訳じゃないから、後で使い方考えようかな。ぼくがそう考えていると目の前に手芸屋と思われる看板の店を見つけた。




