始まりの街スタット編9 創作魔法
ぼくはスポーツドリンクを生み出す魔法を手に入れた
「すごいなソラの嬢ちゃん。まさか、魔法で飲み物を作るなんてな」
確かにすごいけど、戦闘向きじゃ無いなこれ。
「なるほど、という事は」
そう言ってユメハちゃんは何かをイメージしたまま手を前に出す。すると手から砂糖が現れた。
「やはりそうか。ソラ、土属性の魔法はイメージによっては砂糖や塩を産み出せるようだ。私、なんだか楽しくなってきたよ」
興奮気味にユメハは言った。しかしもっとリアクションがすごいのはイカッツさんだった。
「魔法から飲み物や塩とか砂糖を生み出すなんてすごいな!!オレ、今まで魔法は傷つける事しかできないと思って苦手だったけどこんな魔法ならオレも使いたいな」
イカッツさんは初めて魔法が戦い以外に使う所を見たと興奮気味に言っていた。
「魔法はイメージと言ったのはイカッツさんですよ。それに、イカッツさんの魔法でもやれるのはあると思いますよ」
「ほんとか、オレが扱えるのは火属性魔法だぞ」
「大丈夫ですよ例えば……ほら!」
そう言ってぼくはある物をイメージして指を銃の形にして空高く魔法を放つ。
ひゅ〜………パァッアァン!!
「おお、花火かソラ。私も面白そうな花火を作ってみたぞ」
そう言って今度はユメハちゃんが空に魔法を放つ。
今度の花火は散った後に可愛い狼になった。
「可愛い!!ユメハちゃんぼくがこういうの好きって知ってやってくれたんでしょ、ありがと〜!!」
「あ〜、ソラの温もりが伝わって……じゃなくて。ああ、どういたしまして」
「おおっ!!おぉ、嬢ちゃん達今のは?」
「あれはぼく達の故郷に伝わる花火という伝統芸?みたいなのです。でもこっちでもあると思ったんだけど」
「花火か……そんな物は見た事なかった。なんせオレ達の街や国では魔法は争いの物だし、火は料理か戦いの道具としてしか使わないからな」
そうか、ぼく達の転生前の世界では他の国はともかく自分の国は争いのない平和な国だからこそのこの花火が生まれたのかなぁ?いや、確か古くは江戸時代からあったと聞くし……まあ、いっか。
「よかったらイカッツさんにはこの魔法を広めて欲しいな、ぼくも魔法が争いだけの物じゃないって分かれば争いってなくなるんじゃないの?」
「おおっ!!良いのか、よっしゃこれから花火とかいう魔法の習得の為に頑張るぜ」
「なんだい、騒がしいわね。それにイカッツがはしゃいでいる所なんて初めてみたよ」
そう言ってギルドマスターのサラさんが訓練所に入ってきた。
「あれ、サラさん仕事は大丈夫なんですか?」
「確かに私もそう言ってた気がするが」
ぼくとユメハちゃんが疑問に思っていると。
「どうせギルマスの事だから優秀な部下に押し付けたんでしょ……」
「あっはっは〜正解〜♪」
どうやらこの街のギルマスはサボリ魔らしい
774です。今回は魔法についての話です。