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商談
「はい?」
迎えに来た?
せいてん?何?
「・・・ほら。早く来い、三蔵」
「・・・」
ひとまず、落ち着こう、と静子はゆっくりと深呼吸すると答えた。
「・・・もう一回、あなたの名前教えて。よく聞き取れませんでした」
「二度も言わせるな!・・・俺様は斉天大聖、孫悟空だ!」
「・・あの西遊記の斉天大聖?」
「そうだ!ほら、早く来い!」
ふと、せっつく彼の目を見た。
何かに怯えているような、険しい目をしている。
なぜ、そんなに焦っているのだろう。
「ほら、行くぞ!」
「・・・」
ふと彼女が言った。
「・・・そんなに、こんな私を連れていきたいのなら、
私の言い分もありますので、話しましょう。
ひとまずコーヒー淹れて来るから、慌てないで!」
「・・!」
続く




