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それどころじゃない
「・・・」
そんな静子の様子を、上司である彼女が訝しげに見つめていた。
「・・・ねえ、あなた。・・・彼女、性懲りもなくまだ辞めないの、
それどころか、楽しそうに仕事しちゃって!・・どうかしてるわ!」
執務室に入るなり、開口一番、羅刹女が牛魔王に向かって叫んだ。
「・・入る時は、ノックしろと言っただろう、何度言わせる気だ、羅刹女」
今それどころではないというように、
珍しく苛立ちを隠さない牛魔王がそれに返した。
牛魔王が続けた。
「・・今、お前の愚痴などを聞いている暇はないんだ。
・・・・・奴が、私たちを裏切った」
続く




