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忙しい
「・・・」
黙ったままの悟空に、
歳は中年位の男と思われる、その電話の主が続けた。
「・・・悟空。私は牛魔王だ。・・・私と、手を組まないか」
「・・・」
何を思ったのか、
フッと冷笑すると、悟空が言った。
「あの、・・・どちらさまでしょうか?
おかけ間違いですね」
そう言うと悟空は間髪入れずに電話を切った。
「・・な!?」
ちょうどその時、タイミングよくノックの音が聞こえると、
自分の会社の秘書が室内に入って来た。
「社長、我が社提案の新規事業の件で、
本日アポを取られている〇〇社の〇〇社長がお見えになりました。
応接室にお通ししております」
「ああ、わかった。すぐ行く」
ああ、今からも、またやはり忙しくなると悟空は思った。
続く




