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気になる
その日の昼下がり。
その朝と変わらず、心地よい陽の光が差し込む日だった。
「・・ねえねえ兄貴!
題して、
『三蔵の夢に出る作戦』は、うまくいった!?」
仕事中ごめんね!と、
社長室のドアを元気よく開けるやいなや、八戒がキラキラした目でやってきた。
来たか、という表情で、社長椅子に座り、
机の書類に目を通したまま、人間の社長の仕事真っ最中の悟空が淡々と答えた。
「はいはい。ノックしろよ、八戒。
あと、質問に答える前に聞くが、
お前の勤めている会社の仕事は、今日も休みなのか?」
ううん。と八戒が首を横に振ると言った。
「ちょっとだけ休憩で、様子見に来たんだ!
・・・人間の仕事には、僕と言う妖怪の意地とプライドにかけて、全く支障ないよ!
そんなことより、・・・僕のさ、提案した『夢』のことが、
気になって気になってすっきりしたくてさ。
・・・ねえねえ、どうなったの?」
続く




