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初対面
『・・・悟空?・・・どうしてここに?』
徐に静子が尋ねると、彼が、決して今まで見せたことのない、
とても穏やかな表情で破顔しながら、
それに答えてきた。
『静子や。・・・夢の中でも、
お前は私が、彼にみえるのだな』
再び、
静子を心から慈しむように微笑んだその彼から発する、
只々美しい、そして非常に心地よい波動に、彼女は思わず息を吞んだ。
『・・・・』
なぜかわからないけれど、ものすごく、懐かしい香りがする。
『・・・。・・・あなたは・・・』
その、悟空の姿にみえている存在に、静子が再び尋ねた。
『・・・。もしかして、あなたは、私のおじいちゃん?』
続く




