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夢
「悟浄!おはよ!」
「おはようございます。八戒」
今日も元気いっぱいですね、と八戒の様子に悟浄が思わず微笑んだ。
「・・・」
ちょうど朝の通勤ラッシュの時間で、
ちょうどホームに止まった電車から、人が沢山降りてきた。
八戒が人目を気にしながら、少し声を潜めて尋ねる。
「・・悟浄は、もう人間の仕事終わった?帰るところ?」
「ええ。・・八戒は、これからですか?」
悟浄も声を小さくしながら尋ねた。
「ううん。今日は僕、人間のお仕事、休暇もらっているんだ。
・・でも白龍は今日は人間になって仕事する日だから」
白龍は家事でもなんでもできちゃうから、僕が下手に家事すると怒られるから、
それに悟空の兄貴は今日も人間の社長の仕事人間・・いや妖怪だし。
だから、暇なんだ。と八戒が続けた。
「・・兄貴は休憩のお昼にドーナツを差し入れしたら喜びますよ」
「ねえ、悟浄。僕が暇ついでにさ、悟浄がもし疲れていなかったら・・・
、
今日の夜、僕、三蔵の夢の中に出て、どうしても言いたいんだ。
だから、その準備をしたい。協力してくれる?
・・・兄貴には内緒で」
続く




