時間に正確な妹と心配性な兄
普段、どれだけ仕事が忙しくてもこの時間には「今から帰宅」か「もう少し遅れる」の連絡を入れる――そんな時間から三十分ほどが過ぎた。怒涛の合間にトイレに行って帰って来ると、携帯電話が鳴っている。
妹「もしもし」
兄「生きとるか!?」
生 存 確 認 。
妹「……うん。ちょっと忙しくて。あと五分ほどでたぶん帰れる」
兄「いや、死んでないならええんや、死んでないなら。お前、三十分前の時間にはいつも絶対連絡入れてくるから、死んでないか心配で。しかも電話出んし」
妹「トイレ行ってたの」
兄「死んでないなら、ええわ。気を付けて帰って来いよー」
妹「うん」
三十分の音信不通で生死の確認された。いやあ、愛されてるな、私。