1.
投稿忘れていた()
「あんのクソアマ!」
俺は自室に戻ると叫んだ。
もちろん、侍従侍女は追い出している。
「なんでハーレムルート進んでんだよ。クソッッ!」
もうお分かりであろう。カグラ·アステリオンことゲームのヒロインはハーレムルートを選んだようだ。
ってかなんで初日でもう5人も侍らせてんだ?
あいつら馬鹿か?何をあっさり誑かされてんだよ。
「と!に!か!く!俺はぜってぇ攻略されたくねぇ。」
そう心に強く誓って眠りについた。
翌日。
馬車に乗り学園へ向かう。
馬車で二十分とは、なんとも不便なんだろう。
遠すぎるんだよ。
外は薄暗いし嫌な予感しかないのは仕方の無い事だろう。
乙女ゲーの攻略対象ってさ、卑怯だよね。
オルドこと俺を含め攻略対象全員イケメンなんですわ。
俺の顔も憎らしい。
だってさ、無表情で挨拶ガン無視してんのに四方八方から女の子がキャーキャー言ってるんだよ?ムカつくよね?今は自分の顔なのにムカついてるんだけど。
あー、早くこの中から抜け出したい。
なんて事を思っていると________
「やっ、やめてください。」
萌え声…?アニメ声(と言われる声だろうか?)が聞こえてきた。
ピンクブロンドの髪の少女が複数人の女子達に囲まれている。
その内の一人が声を張り上げる。
「あんた。昨日身分を弁えずにオルド様やハルト様に話しかけたそうね。それだけではなくあろう事か私の婚約者まで…っ!どういうつもりなのよ」
「別にっ、どういうつもりとかではなく…。ただご挨拶とお話をして頂いただけで…」
そう説明しながらピンクブロンドの髪のヒロインは俺を方へチラチラ目配せをしてくる。
いや、嫌だよ。確かにハーレムルートではこういう所にオルドが来てたけど俺は行かないから。
ってかこのイベントまだ先じゃねえの?なんで2日目にしてハーレムルートイベント発生してんだこのバグ女。
俺は無視を決めた。
が、しかし、
「た、助けてください!オルド様!」
は〜????
なんで呼ぶんだよ。ふざけんな。
俺は行かねし、昨日の一言しか話してないやつに助け求めるとか馬鹿なんですか?俺お前より身分上なのになんで命令されなきゃいけないんですかねぇ???
うん。こういう時は気付かないふりが一番だよね。
あー、今日もへいわだなぁ〜
「あんた、何オルド様に話しかけてんのよ!あんたなんかが話しかけていい相手だとでも思ってんの?」
「きゃっ」
ヒロインじゃない女___確か悪役令嬢のメルセリョカ·ナビールだったか?___が手を振り上げる。
あー、これはダメだな。なんて思いながら見ていると
「やめないか。」
颯爽と現れてメルセリョカの腕を掴んだ。
男の名はサーゼス·ルマイダ。メルセリョカの婚約者であり攻略対象の一人だ。
これはゲームに無い展開か、俺が動かなかったから代わりかな??
とりあえず、何も起こらなかったので俺はその場を後にした。
夢の中なのに授業を受けなきゃいけないとか苦痛なんですけど。
乙女ゲーにも授業ってあるんだね。
あれから考えたんだが、乙女ゲーがどんどん早まって早くクリアしてくれたら、その分早く帰れると思うんだよ。俺って頭いい。
あとさ、乙女ゲーのヒロインってもっと優しい大人しい性格だった気がするんだよ。なんであんなぶりっ子なの?俺絶対無理。
次回は10月2日に上げる予定です!
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