番外編 〜私の新しいご主人様〜
私はラルアです!ミゼリーフォックスという魔物との亜人なんです。ですがミゼリーフォックスはヒトの皆さんから忌み嫌われています。なので私達の種族は奴隷とされる事が多いので子孫も作れず絶滅寸前です。私もつい最近奴隷になったばかりでちょうど今、誰かが私を買った所です。少し太った…貴族の方ですかね?
「おい奴隷、名乗れ」
「はい!ラルアと言います。これから宜しくお願いします!」
怖いなぁ貴族さんが私を睨んでる。そういえばなんて呼べば良いんだっけ?確か…ご主人様だったよね?
「これから毎日、ご奉仕させていただきます。ご主人様!」
「はあ…使えなさそ。やっぱミゼリーフォックスなんて買わなければ良かった。」
「…え」
「せいぜいこの俺にちゃんとご奉仕出来たら使えるがな」
ご奉仕って…なんだろう。教えて貰って無いよ…
「失礼ですがご主人様。ご奉仕とはなんですか?」
「はあ?お前、ご奉仕も知らねえのか⁉そんなんで居れると思うなよ?」
「は、はいっ」
お家に帰ったら教えて貰おう!それで、私は新しいご主人様のお家に行きました。ご主人様のお家はとっても広くて、ご飯もとても豪華です。でも私のご飯はまだ来ません。
「ご主人様、私のご飯は?」
「奴隷に飯って…あるわけ無いだろ。普通」
「そうなんですか?初めて知った…」
どうやって生きよう。ご飯が無いんじゃなんも出来ないや。
「もしかしてお前、奴隷は初めてか?」
「はい、つい最近なったばかりです」
その時のご主人様はとても気持ちの悪い笑顔を笑顔をしていました。
「おい奴隷。このあと2時間後に俺の部屋に来い。わかったな?」
「はい、かしこまりましたご主人様!」
なにをするんだろう?楽しみだなあ。早く2時間経って欲しい。これも初めてなんだよね!あれ?あの人って…お料理してた人じゃないかな?
「あの…これから仲良くしましょうね」
あ、よく見たら私と同じ亜人の娘だ。羊かな?
「ねえ、君って羊の亜人?」
「そうですよ?[ミゼリーシープ]の亜人です」
あれ?ミゼリーって私もだ!やったー!お友達が出来た!
「おんなじだね!私もミゼリーシリーズだよ![ミゼリーフォックス]!」
「そうなんですか?奇遇ですね!」
「あ、そうだ!ご主人様にあとで部屋に来て、って言われたけどなにかあるの?」
羊の娘はちょっとだけ驚いてる。そんなに良いことするのかな?
「…うん。頑張ってね」
「分かったー!そういえばお名前は?私はラルア!」
「私はカンナ、宜しくね」
「うん!」
あ、そろそろ2時間だ。行かないと怒られちゃう。
「カンナちゃん、そろそろ行くねー!」
「うん…行ってらっしゃい」
カンナちゃん元気無いなぁどうしたんだろう。それより行かないと!確か、この角を曲がって階段を上がって突き当りの部屋!
「ご主人様、入って良いですか?」
「ああ、入れ」
部屋に入るとご主人様は何故か裸です。なんでだろう。私も脱いだ方がいいのかな?
「ご主人様、なにか用事があって私を呼んだのでしょう?」
「お前は奴隷としての常識がないみたいだから教えてやろうと思ってな」
優しい人だなあ。これで常識が分かる!
「ありがとうございます。ところで何故裸なのですか?」
「今からご奉仕とはなにか教えてやる。ほら、お前も脱げ。」
えっ⁉恥ずかしいよ…でもご主人様の命令だし…頑張ろう。
「…はい。」
脱ぎやすいなあ。このワンピース。
「はい。終わりました!ご主人様」
「じゃあこっちに来い。」
その後、私がなにをされたかは皆さんのご想像にお任せします。ですがこれだけは言います。最悪な時間でした。
「はあ、大変だった…」
今日はもう寝よう。疲れた。そしてベットに着くと私は一瞬で寝れました。
「ふわあ」
数日後。うん、気持ちいい朝だ。あれ?ドアを誰かがノックしてるのかな?音がする。
「はい」
「俺だ。出掛けるぞ」
「わかりました。準備をしますので少々お待ち下さい。」
どこに行くのかな?楽しみ。
「お待たせ致しました。ところで、どこに行くのですか?」
「ああ、この近くの王都だ」
へー王都、か…どんな場所だろ!
「ご主人様。王都とはどのような場所なのでしょう」
「お前そんなことも知らないのか」
「はい…すいません。」
また、ご主人様は気持ちの悪い笑顔を浮かべていました。
「教えてやる、こっちにこい」
「…はい!」
私はご主人様の連れられるままに路地裏に行きました。とっても生臭い香りがします。それでご主人様は私に大きなマントを渡してくれました。
「とりあえずそれに着替えろ」
「…?はい」
んー…スースーする…着にくいなあ。
「着替えましたー」
「……」
どうしたんだろう?ご主人様。
「っ…!」
痛い⁉何するの⁉ご主人様!ご主人様は急に私の事を叩いて来ました。
「あのー…そこのおじさん」
この声が聞こえたのは約1時間後。私は衰弱しきっていて痣だらけ。私にはその姿が伝説の"勇者"様に見えました。私はついに幻覚まで見える様になっちゃった…
そんな事を考えているとご主人様がこっちに飛んできました。でも、ぎりぎりで止まりました。
「大丈夫?君、結構殴られてたけど。」
「あ、はい大丈夫です!助けて下さりありがとうございます!」
このヒトも私を酷い事にするのかな。でも、あんまり怖くないみたい!
番外編1完