近道
「ご注文を頂いた品のお届けです」
まきゆづがお金を持ってドアを開ける。そこにはさっき案内してくれた。大男が立っていた
「ハンバーグセットが三つ、紅茶キメようセットが三つ以上で金貨4枚です」
まきゆづは布袋から金貨を五枚出した。
「お客様一枚余分ですよ」
「取っといて、案内してくれたお礼と食事を運んできてくれたお礼代だよ」
「ありがとうございます」
男はまきゆづに食べ物を渡すと、一礼して去った。
「よーし、食べるぞ!紅茶も飲むぞ」
まきゆづがテーブルにお盆を置き二人に渡し食べた。合間に紅茶をキメつつ
「なんだろうね、やっぱりお城の料理長が凄いってハッキリ分かったような気がする。まぁ、あんまりそんなこと言ってるとここの人に失礼だから、ササっと食べよ」
雪姫が言っているにも関わらずまきゆづは紅茶をキメつつ、ハンバーグを食べた。
「ここのパン柔らかい!」
いつもどうりの黒パンではなく白パンだった。まきゆづはとにかく驚いた。久しぶりに柔らかいパンを食べたから。
その後全員食べ終わってみんなミルクティーを全員キメた。飲み終わると片付けてみんな寝た。ベットは柔らかく直ぐに寝れた。
翌朝
「よーし、全員起きろ!今すぐ仕度しろって言っても仕度出来てるか」
まきゆづは誰よりも早く起きて二人を起こした。それはまるで、子供が親に遊園地へ連れてってもらう感覚だ。しかし、この起こした時間が何と午前5時かなり迷惑である。
「まきゆづ、今何時だと思ってるの?朝五時だよせめて、朝6半に起こしてくれない?」
雪姫がそう言うとまた寝た。まきゆづも正気を取り戻し、静かに読書をした。
一時間半後
「起きろ!ほら、お昼のぁああ。ここ日本じゃ無かった。出オチ乙」
「おはようそれと、出オチ乙www」
丁度起きた龍尾に笑われた。{本当に死にたい}
「と言う事でチェックアウトを済まして早く馬車の所にいこ」
そう言って雪姫が起き上がって準備を済ませていた。しかし、まきゆづの精神は崩壊しかけていた。
その後、チェックアウトを済ませ、馬車のもとへ向かった。まだ早いので、建築士らしき人以外は見かけなかった。
「おはようございます。皆さまはお早いですね。もう少し待ってください、今馬たちにご飯をあげている所ですので」
「すいません、私たち大変言いにくいのですが、今日で帝国まで行けますか」
まきゆづが聞くと、運転士のおじさんの表情が変わる。
「正気ですか?少々荒い道になり、魔物も強くなりますが、それでもいいと言うならこちらも腹をくくりますよ」
「大マジです、私生まれてこのかた激戦区の中を生きてきましたから」
「分かりました。馬たちも食べ終わったので直ぐに出発しますよ。乗ってください」
まきゆづ達が客車に乗り込むとすぐさま馬を出した。
「俺は上で周りの警戒に回る」
まきゆづはそう言うと客車の上に座った。
「シックスセンス、索敵」
まきゆづは第六感を強化し、索敵を行った。まだ、小さな街を出ていないのに。
客車内
「マキマキ最初の頃とキャラ変わってない?最初は僕僕言っていたのに。隠し事が無くなって本性でも出たのかな?」
「まぁ、人間は隠し事が無くなると本性がむき出しになるって聞いたことがあるからな」
「お二人さんそろそろ、道なき道を進むので注意してください」
運転士から振動の警告がされる。
客車の上
{敵の反応はまだ無し、第六感もいつもより敏感になっているからそうそう奇襲はされないだろう。ん?右前方に盗賊を発見した。}まきゆづは右前方の草むらに向かって魔法を放った。
「シュメルツシュルト。相手は消える」
黒く禍々しい物がカッター状になって飛んでいく。それに当たった木々は当たった所から腐って行きある程度穴が開いたら腐食が止まった。{当たった、音もなく消える、悲しき事だ}
まきゆづはどんどん新たな魔法を作成していく。彼の最大の武器は創造力だ。
その後も、荒い道は続いた。だが、ある時その道が無くなった{索敵とシックスセンスに巨大な敵影を確認、ヨツンヴァインで背中から翼が生えている、これは龍またの名をドラゴン、だがこれは龍だ。ドラゴンの上位種だ}
「おじさんこの先龍が居るよ、俺が足止めするから急いで駆け抜けて」
「ですが、貴方様は?」
「大丈夫絶対に合流するから、しんがりは任せろ」
おじさんはしぶしぶ頷いた。まきゆづは武器アイテムボックスからマリスから預かったハルバードを手に取った。
大きな草原に出るとまきゆづは馬車から降りた。それを見た龍尾達は混乱していた。
「人間の少年よ我に挑むつもりか?」
「あぁ、そうだ。最初っから全力でいかせてもらうよ」
「おぬしの名は何という?」
「まきゆづだ、おかしな名前だろう。本名は絶対に名乗らない主義でね」
龍は立ち上がり、戦闘準備をした。
「行くぞ少年!せいぜいこの地の支配者の我を楽しませるのだな」
「バーサーク、アクセル、ブースト、アンリミテッド、オバーリミット、オートリジェネレーション、スロウタイム最後にオートリヴァイブ」
まきゆづの体に変化が起きる。筋肉が膨張し体がデカくなる、その急激な衝撃に耐えられず手を地面についた。
「少年、バーサークを使うと元に戻れなくなって、意識が無くなって制御出来なくなるぞ!」
「なら、逆にバーサークを取り込めばいいんだろ!」
まきゆづが立ち上がり、自分の意識を保つ、何回も意識が途切れそうになるもリジェネレーションが付いてるのでぎりぎりを保っている。
「少年よ今楽にしてやるぞ!」
龍がまきゆづに攻撃を仕掛けた。するとそこにはまきゆづの姿は無かった。
「何所に行った!小賢しい奴め」
「貴様は一つ過ちを犯した、こういう時は攻撃を仕掛けないのが常識だ。最後まで待つのが定番だ分かるか?」
龍の背中に元の姿になったまきゆづが居た。周りには、黒と赤が混ざったオーラが纏っていた。
「歯食いしばれ!ここがお前の死に場所だ!」
まきゆづはハルバードを大きく振り上げ龍の背中に振り下ろした。振り下ろされたハルバードは龍の肉を切り裂き奥深くに突き刺さった。
「待ってくれ、お前の強さは十二分に分かった。だから、許してください、何でもするんで」
「早いな、君にはプライドが無いのかい?そんなんじゃあこの世界では生きていけないよ。それと、今何でもするって言ったよね。じゃあ俺の従魔にならないか?君は俺の強さを知れて、更に人間の食べ物も食える、俺は最高の移動手段を手に入れることが出来る。どうだ?」
「よろしくお願いします。殿下それよりも早くこの斧を抜いてくれますか?何か血が抜かれてるような気がするんですが?」
ハルバードを見ると、龍の血を吸っていた。それに気づきまきゆづはハルバードを抜いた。
「それにしても、生命力高いねー君。龍は全員そうなのかい?」
「そうですが、、、、早く、、、直してください、、、もう持ちません」
「リフレッシュ」
まきゆづの魔法により一瞬で傷口が治った。数分間休憩を取った
「そう言えば、君は「ヴェクスです」ヴェクスはさぁここの支配者って言ってたけど他にもいるの?」
「もちろん、俺はまだまだ未熟だ。龍の中で最も強いのが黒龍の更に亜種のナハトって呼ばれる龍だ。そいつは魔王軍の本拠点の暗礁大陸にいるらしいのだが、その大陸は毎回場所が変わるらしいんだ。だからナハトの姿を見れるのは勇者ぐらいだとか。まぁ、その合った勇者は足にいるありんこのようにやられるのだがな。話はこれぐらいにしてそろそろ出発しますか?」
「そうだな、暗礁大陸行こう!」
「私に休暇は?」
「ねーから!」
まきゆづはそう言うと早速暗礁大陸に向かおうとした。ヴェクスは行きたくないのだが従魔の関係になってしまったので渋々向かった。
「遅い!魔法をかけるよ、拒否権は無い!アクセル、ブースト!」
「やめろ!」
龍がもの凄いスピードになった。まきゆづは落ちないように必死につかんだ。
「見えてきましたよ。あれが暗礁大陸だ」
目の前には真っ黒な大陸があった。ヴェクスが急に止まると、その反動でまきゆづが吹っ飛んだ。
「やっちった。死んだだろあれ。いや、いや待てよ、あの人確かオートリヴァイブっていう謎の魔法を使っていたよな。ヤバイヤバイ!今すぐ見つけないと殺される!だけど、アクセルとブーストの効果が消えてないんだけど!」
In客車
「マキマキどうなったかな?大丈夫だよね?」
「あいつの生命力はG並みだって言ってたよな確か」
雪姫はまきゆづを心配しているが、龍尾はあまり心配していない。信用している人と完全に信用できてない人の差だろうか。
「お二人さん悲報です。多分ですか帝国には夜に着くと思います。吉報もあります。それはたぶんあの人が勝ちましたよ。龍の炎が見えないって事は」
「そうですか、よかった」
馬車が急に止まる。
「悲報です、盗賊が来ました」
「私に任せて」
そう言うと雪姫は客車から降りる。そこには10人ぐらいの男たちが居た。
「ほっほー上玉の女がいるぜー。今日はこいつで遊ぶぞ!」
雪姫は能力を完全に開放した。最初に喋った男の頭が無くなった。その、早い動きで起きたつむじ風によって他の男たちに切り傷が多くできた。更に、雪姫の姿は確認できず、一方的に攻撃をしている。最後に姿を現すと、あのセリフを言った
「貴様らの体は既に使えない」
雪姫はクレイモアを鞘に入れると男たちが無残に切り刻まれていた。
「しゅっぱーつ!」
そう言って雪姫が客車に乗ると再度移動を開始した。
まきゆづ
「死ぬかと思ったーまぁ死んだけど。あの高さ、しかもあの死ぬほど速い速度で急ストップ駄目だわ。十分以内にあいつ来なかったら縛り上げよ」
「そなたよ、おぬしは新たなる挑戦者か?」
「あんただれ?おっちゃんいい歳こいてコスプレはさすがに駄目だと思うよ。せめて海軍の渋かっこいい提督なら別だけど。それ魔王っぽい服装だよね。あー痛い痛い。その格好が許されるのは高校生ぐらいだよ」
「我だってこんな姿をしたくないんだ!部下からこの格好の方が魔王ぽくって良いですよって言われたから渋々着てるんだ!」
魔王が玉座から立ち上がる。まきゆづはやっぱりかみたいな顔をする。
「そういえば、黒龍のナハトって何処にいる?」
「ナハトならこのお城の裏を真っ直ぐ進んだ草原にいつもよく寝てるから。勝負をするのはやめといた方がいいよ。俺なんてプレッシャーで土下座しちゃったんだから。けど今なら勝てる気がする」
裏で大きな雄たけびが聞こえる。
「すいません。調子乗っていました!」
魔王が視点をまきゆづに戻すと既に彼は居なかった。
こんばんは。クソ雑魚ナメクジのまきゆづです。だるい、眠い、寒いの三拍子がそろうとやる気が出ないのは当たり前まきゆづ。そして、おりょくる