クエスト
まきゆづ
ナイフが腹に刺さって一分ぐらいが経過した。誰も通らない道に一分間放置されていた。{すごく寂しいです}まきゆづが気が付くと腹にはナイフが刺さって無かった。辺りを見ると右側にナイフが落ちていた。ナイフを拾いアイテムボックスに入れた。その後は何事も無かったかのようにギルドに向かい歩き始めた。
ギルドに行く最中、周りの人が驚いていたが当たり前だろう。服に血が付いているのだから。周りから変な目で見られる以外は何事もなく、ギルドに着いた。
「ちわーす、三河屋デース。クエストを引き受けに来ました!」
まきゆづは勢いよく扉を開けた。ギルドに居る人たちは「またか」みたいな顔をしていた。まきゆづは辺りを見渡した。{このネタもしかして誰かもうやった?うわー恥ずかしいわー天丼とか}などと考えていた。天丼とは芸人でいうところの繰り返しだ。
クエストボードの方を見ると、そこには龍尾が居た。まきゆづは龍尾の方に歩いて行った。
「おーい、龍尾!おいてかないでくれよ、ほんとポンポンが冷えるかと思ったじゃんかー。おっこのクエスト面白うそうだから受けてくるわ」
まきゆづはそう言うと受付に向かって行った。まきゆづが手に取ったのはコボルト討伐50体だった。
「本当にこのクエストを受けるんですか?洞窟のコボルトを一日で掃討するんですが、よろしいでしょうか?一秒でも過ぎてしまいますとクエスト失敗で賠償金が求められますが大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、問題ない。それと、賠償金額はどれくらいですか?」
「賠償金ですと、クエスト達成金の半分ほどです」
まきゆづは頷くと冒険者カードを渡した。受付嬢は魔法のスタンプを押した。
「クエスト頑張ってください」
まきゆづは早速洞窟に向かおうとしたが、誰かに肩を掴まれた。ゆっくりと振り返るとそこには雪姫が居た。彼女は少し怒っているように見えた。
「マキマキ、バリュートさんが読んでるよ。クエストは後にして一回お城に戻ったら?」
「今から僕は社会科研修をしに行くからいけないって言っといて」
「ふぅーん、じゃあ強引に連れて行くよ」
次の瞬間まきゆづの視界が真っ暗になった。どうなったかと言うと。もの凄いスピードで雪姫がまきゆづのうなじを殴ったからだ。俺じゃなきゃ見逃しているね。とわ言ってもあれは残像だった。雪姫が殴ったのは龍尾だった。
「まきゆづ許すまじ、慈悲は無し」
そう言って龍尾は倒れた。一応保険としてまきゆづはオートリバイブを龍尾に掛けておいた。だけど、まきゆづは一つの疑問を残したまま掛けた。それは魔法無効だった。
洞窟の前
まきゆづは一時間掛けて洞窟の前まで来ていた。洞窟の前には看板が立てかけてあり。<この地の始まりのダンジョン>と書いてある看板に<現在魔物大量発生中につきクエスト受領者以外立ち入り禁止>と書かれてあった。その隣に魔法で作られた認証機が置いてあった。そこには<冒険者カードを置いてください>と書かれた紙が貼ってあった。
まきゆづは冒険者カードを認証機に置いた。認証機は正常に作動し、魔法の結界がはずされた。
「時々思うけどこういう洞窟をなんで破壊しないのかな?いや、逆に考えるんだ、この中にはレアな鉱物があるかもしれない。せっかくだし処女探索をここで使うか」
まきゆづは手に火の玉を作り洞窟の中へ入っていった。
雪姫
雪姫は気づかず龍尾を城まで運んでいた。
「やっと捕まえた。マリスさんも再度決闘がしたいっていうこと聞かないし。あの変態クソ王もマキゆづと話したいって言ってたし。私の苦労も考えてほしいなー」
「本当にそうだな。あいつはいつも俺たちに迷惑を掛けっぱなしだ。時には返してほしいくらいだ」
「やっぱそう思うよねー・・・えっ!?」
雪姫は自分が運んでいる物に気づいた。そして、そっと下した。
「その、なんかごめん」
「良いよ別に。それよりも、早くあいつを見つけ出して縄で縛って置かないといつ逃げるかわからないし。とにかく、あいつが向かった洞窟に行くぞ」
雪姫が頷くと龍尾は歩き出した。雪姫は能力を強化し龍尾を担いで移動した。
まきゆづ
「洞窟の中あまりにも暗すぎじゃね。もっとこう、トラプエみたいに気の利くことは出来ないのかな、魔王軍って。だから魔物団結度が低いんだよ。これじゃあ魔王城陥落したら全軍降伏しちゃうじゃん」
なんてことを言いながら洞窟を急いで探索していた。時には火の玉の火力を高くし周りを見やすくしたり。時には魔物にばれないように火力を弱め足元だけ見えるようにしたり。して最下層までやって来た。
「知ってた。なんも無かった。と思わせといて絶対隠し部屋あるでしょ。こんなに近くに国があるんだから。いつ攻めてもいいように指揮官とか居そう。それよりも、もしものために辺りには任意で起爆出来る爆裂魔法でも設置しておこうかなっと思ったけど、やっぱ深淵魔法があったらいいなーと思いつつダークホールを考えながら魔法陣を設置しよう。そうしよう」
まきゆづは壁に手をついて呪文をぶつぶつ唱え始めた。
「混沌の神よ今我にこのちんけな洞窟を吸い込むほどの力を宿した魔法陣を展開することを許せ」
要約しよう、クソみたいな洞窟を吸い込む深淵魔法を使うから許せという事だ。今頃最後の言葉で大体の神は{げせぬ}とよく言う。
まきゆづは深淵魔法<あるかわからない>の魔法陣を設置し早速隠し部屋の探索をした。壁を叩いて音が奥に響いていないか確認し、壁に穴が開いていないかも確認した。足もとも確認した。しかし、隠し部屋は見つからなかった。
「死ね!!もういい!俺は怒った、たとえどんな苦情が来たとしてもこの洞窟だけは最大火力で爆発させる。慈悲は無し!」
まきゆづはそう言うとさっき設置した魔法陣を消した。そして、新たに爆裂魔法の魔法陣を洞窟内にデカく一個設置した。その後のまきゆづの行動はとても早かった。洞窟を全力疾走で駆け抜け、時には魔物とトレインした。洞窟から抜け出すとすぐさま城に戻った。
「ここまでくれば問題はないだろう後はちゃんと発動するかだ」
まきゆづは洞窟の方を向いた。そして、手を洞窟の方に向けて。
「ヴェレン・シュルツェン<死んで消えろ>」
洞窟の方向からもの凄い爆風が届いてきた。更にまきゆづは追い打ちを掛ける
「プラッツェン<爆ぜろ!>」
そう言うと更に爆発が大きくなった。もの凄いスピードで小石が飛んでくる。さすがにやばいと思ったのか次の呪文の詠唱に取り掛かった。
「魔力障壁全力展開!中央を分厚く、外側を滑らせるように展開!」
まきゆづのMPがどんどん減ってゆく。これが因果応報だ。街をチラ見したら大勢の人々が慌てている。その中に龍尾達がおり、場の混乱の落ち着かせていた。その後はバリュートも参戦して落ち着かせていた。爆風は30分間吹いていた。勿論、まきゆづのMPはほとんどなかった。その後は残ったMPを使いマジックリジェネレーションを使い迅速にMPを回復させた。
「これに懲りたからもうやらないでおこう<二度とやらないとは一言も言っていない>」
まきゆづは自室に戻ろうとしていたら、偶然マリスに出会った。
「あっ、ここで会ったが十年目先の戦いでの屈辱、訓練場で晴らしてやる!」
マリスはまきゆづの手を掴み引きずり始めた。何故逃げないかだって、彼は疲れているんだよ。
雪姫
「さっきは凄い爆発だったけど、魔王軍の攻撃かな?」
「いや違う、さっき城から目線を感じたんだが、多分まきゆづがキレてどっかを爆破したんだろう。しかもあの爆発で爆風が最初しか来ないのはおかしいだろ?多分あいつはもう城に戻ってんだよ。今すぐ城に行ってあいつを半殺しにしよう」
無言で雪姫は頷いた。また、雪姫が能力強化を使い龍尾が言った場所に向かった。だがしかし、そこにはもうまきゆづは居なかった
「やっぱり、早い。私たちもマキマキの行動を予測しないと追いつけない」
「多分あいつはマリスに掴まって訓練場にでもいるんじゃないか?」
雪姫が何でわかるの?みたいな顔をする
「全兵士のスケジュールを確認したらこの時間にここを歩哨するってマリスさんの予定に書いてあったから。これだから、細かくメモする人は楽で助かる」
雪姫は龍尾を担いで訓練所に向かって走ってった。
まきゆづ
「勝負だ!まきゆづ」
「あーはいはい。降参、降参、俺の負けで良いから」
「貴様!騎士道精神を侮辱するのか!私を侮辱するならまだしも、騎士道精神を侮辱することは許さん!」
マリスが大振りでクレイモアを振ってくる、まきゆづはこれを軽々と避ける。横払いが来たら剣で滑らせ、斜めから切ろうとしたら剣で止めたりした。突きが来たら横にずれるだけで終わった。
「あーだっる!これくらいなら第二次世界大戦の弾幕避ける方がキツイわ」
「まきゆづ、その言葉はどういう意味だ!」
マリスの後ろから声が聞こえた。まきゆづは焦ってアリスの空いた腹にクレイモアをさっと当て逃げようとしたが、どうせ再開するから今のうち話しておこうと思い逃げるのをやめた。
「また、負けた」
マリスが落ち込んでるのを他所に、まきゆづは龍尾の方に向かった。
「とりあえず、ここでは話せるけど雰囲気的な物が大事だから移動するぞ」
「絶対に茶化すなよ」
まきゆづ達は訓練所の近くにある兵舎の作戦会議所を借りた。
「さっきのはどういう意味だまきゆづ」
「説明しようと思っていたんだが話すタイミングがあるにも関わらず遊んでいたから話せなかったから。これを機にすべて話させてもらう」
二人同時に頷いた
「俺は昔小説を書いていたんだが、ここまでは記憶があるんだそれ以降は記憶が曖昧になっていていろいろとおかしくなるが了承してくれ。当時俺が中学生だった頃だ。俺はのんきに小説を書いていたんだが、ある日ヒルデが家に来て俺を横須賀鎮守府に連れて行ったんだ。俺は何が起こったか分からなかったんだが、説明を聞いてみると、俺がやっていたゲームが大本営直属のリアル艦シュミレイターで艦隊を指揮してアメリカ海軍とイギリス海軍を滅ぼすゲームで当時の俺はゲームオーバー=死、と言う感覚でやって更に縛りプレイをしていたんだ」
「それとお前に何の関係がある?」
「それは後で説明する。縛りプレイは駆逐艦一隻で全マップクリアをしていたんだ。駆逐艦の名前は曙通称ボンタンだ。そのゲームの特徴でメインメニューは旗艦にしてある艦が擬人化されてるんだ。それを見て俺は絶対に轟沈させないよう誓ったんだ。そのゲームが始まって一週間俺は誰よりも早くクリアしたらしい。それで指揮官としての才能があると思われて徴兵されたんだと思う。そっから俺は小説が書きたいから何としても入らないような理由を考えたそれは、ロマンが詰まった二足歩行のロボットを作ったら入ってやるって言ったんだ。それから二月経った頃にまた連絡が来て横須賀鎮守府に行ったら完成していたんだ。俺はハリボテかどうか疑ったが本物だった」
「分かったもういい、お前の話を聞いていると眠くなるから、お前が第二次世界大戦の時には中学生だった事が分かればいい。てかそれだけでもういい。雪姫ももう寝てるし。とりあえずもう帰るぞ明日は帝国に行くんだから疲労は今のうちに回復させておかない大変な事になるぞ」
「そうだな、今日はもう帰って夕飯を食べたらシャワーを浴びて寝るか」
{これが小説だったら絶対読者は読み飛ばしてるな}と考えながら城に向かって雪姫を担いだ龍尾と一緒に歩いて帰った。マリスはいまだに落ち込んでいた。結論、騎士道精神より武士道精神の方が強い
こんばんは、不意な事故でクソ雑魚ナメクジに戻ったまきゆづです。何が起こっているかわからない人は今すぐ枢軸国の栄光のあとがきを全部読んでこよう!さてと、ナイフを腹に刺されて一分経ったら周りに誰居なく放置されていたまきゆづです。今回はどうでしたか?楽しんでいただきましたか?毎回思うんですけど洞窟に原因があるのに何で破壊しないのかな?と思っていますた。結果からしてゲームだからレベリングしないと積むかも入れないから壊さないんですよね。壊さないでゲームが詰まないか、壊して街の安全を確保するか悩ましいですね