攻略完了
「各員魔法詠唱に入れ。敵はアルギと俺で処理する。それと、なるべく物は壊すなよ」
「「「了解です」」」
泰雅はアルギの鎧を掴み、魔物の中に放り投げた。そのあとに泰雅も続いて魔物の中に入った。
「アルギ、戦闘の基本を思い出せ。お前は格闘科にも行っているのだろう?」
「あぁ、俺の力は始めと違い五倍以上の差がある!」
アルギは魔物に囲まれた中で剣をピシッと構えた。
泰雅も拳を握り魔物に向ける。
緊迫した状態で時間が進む。最初に仕掛けてきたのはオークだった。
オークは棍棒を泰雅に振り下ろすが、泰雅はそれを左手で逸らし、胴体に一発の右手拳をぶち込んだ。
オークの体は建物を壊し吹っ飛んでいった。
「アルギ後ろだ!」
アルギがオーガとつばぜり合いをしている最中に後ろからオークの上位種、ベラルオークが剣を持ち切りかかろうとしていた。
アルギは鎧に剣を隠しており、それで対応した。
「言ったでしょう、あの頃の俺とは五倍違うって。ってっちょ助けて!」
両手で攻撃を防ぎがら空きになったアルギに魔物たちが接近する。
それを助けたのは、泰雅の操る剣だった。
「アルギ敵を魔法隊の前におびき寄せろ」
「あぁ、分かった。“デコイ”」
勇者専用スキルのデコイを使った瞬間面白いほどに、ヘイトがアルギに向いた。
全員がアルギに向かって走り始めた。
「アルギそのまま門へ向かえ!」
「了解」
アルギは魔物を退けつつ、門の前に立った。そして、彼は目の前の魔法隊が詠唱完了している事に違和感を覚えた。
「放て!」
泰雅の合図で一斉に魔法隊の全員が魔法を放った。
いくつかの攻撃はアルギに命中するも、他は魔物に命中する。
大半の魔物は城に撤退をし始めた。泰雅はそれを追わなかった。
全魔物が城の中に逃げ込んだのを確認すると、魔法の詠唱に入る。
「煉獄の奥に潜みし神よ、諸君らに問う。我に力を貸せ。諸君らの力は深淵よりも強く、神聖よりも強い。今こそその力を証明させよ!」
泰雅の言葉に反応し魔法陣は城の上に積み重なり、大きくなってゆく。
「放たれし炎の矢は世界を大きく破滅に導くだろう!秘儀!“ブベルトル・ジンクス”!」
城の上から流星群の様にマグマ玉が降り注ぐ。泰雅は瞬時に魔力障壁を生成し、被害の拡大を防ぐ。
「何をやっているんだ!」
「簡単な事だ。浄化だよ。あの城の中には転移魔法陣が設置させている。魔物があそこから出てきているんだ。魔物たちの量を見ればわかるだろう?おそらく、他の城も大軍が居るだろう。魔法の使えるオーガに剣を使えるオーク。指揮官が居ないと言う事は、局地的な物だが。しかし、あの量とプラスαがある。それを考慮して、さっきの行動を取った。それに、魔物に一回占領された城に住むってのもあまり気分のいい物じゃないからな」
泰雅の最後の言い分にはみんなが賛同した。
「それじゃあ、帰るぞ」
「泰雅さん。私たちがここを離れると、また魔物制圧されるんじゃないんですか?」
「俺達は解放しろと言われただけで、占領しておけとは言われてはいない。それに、ちゃっかり俺達の後を軍がついて来ていたがな」
泰雅はそう言い魔法隊の後ろを指さすと、軍隊が整列して出てきた。
「解放お疲れ様です。後の事はお任せください」
「あぁ、任せた」
泰雅たちは学校に戻った。先生は誰一人も欠けていないことに驚きを隠せなかった。
あとがきを書くのがめんどくなる時間帯。モンスターは私の相方。クソ雑魚ナメクジのまきゆづです。