表彰拒否
「新しい朝が来た最悪の朝ーが」
『どうした、ご主人?急にそんな不幸が訪れそうな曲歌い始めて?』
「いやーね。やらかしたような気がするんだよ。てか、俺昨日寝れなかったし。それに比べてお前らはぐっすりと俺の腹の上で寝て。それより、村長が言ってた言葉覚えてる?」
『あー、まきゆづさんを表彰するとか言っていたな。それがどうした?』
「それが、問題なんだよ。だるいやん、表彰なんて。表彰されるのはもうこりごりなんだよ。ある程度の期間は家から出れなくなるし。周りからは噂されるしで災厄。そうだ!全てあいつらがやったことにしよう、そうしよう」
『ご主人がデュラハンを倒したのにあいつらにその名誉をあげるんですか!?まるでご主人が何もしてないかのように思われるじゃないですか!』
「いいんだ。収穫もあったんだし。それより、昨日できなかった戦後処理しに行くぞ」
まきゆづは新品同様となった宿屋から出た。そして、落ちている剣を武器庫に入れ始めた。
「これを全部錬金したらどうなるんだろうな~楽しみ」
まきゆづが作業していると。村人が家から出てきた。
「おぉ、勇者様私もお手伝いします」
「大丈夫ですから。自分の仕事に専念してください。手伝えることがありましたらどうぞ気軽に言ってください」
「そうですか。では、これをあそこに運んでください」
おじいさんが木箱を指さした後に馬車を指さした。
「わかりました」
まきゆづは作業をいったん中断した。{お前らも手伝えよ}
『わかったご主人。ヴァクス反対側を持てよ』
『わかった』
まきゆづが二個持ち、ナハトたちが二人で一個運んだ。
「おじさんって商人?」
「そうです。今から帝国にパンを売りに行くんですよ。ここの人たちが作るパンがいつも食べているパンと少し柔らかかったので売ってみたらこれがバカ売れしまして。今は村長さんと契約し売り上げの2割をこの村に納めるという風になっています。その代わりパンは私にしか売れないようになっています」
「へぇ。商人さんも苦労が絶えませんですよね」
「はいそうなんですよ~商人を始めた頃は商品が全く売れず赤字が続いた時もありましたが、今はこの村のおかげで不自由なく生活が送れますよ」
そうこう話している間に積み込みが完了した。
「出来ましたよ」
「ありがとうございます。これはほんのお礼ですがよかったら食べてください」
コッペパンのような色をしたパンを貰った。
「ありがとうございます」
「では、またどこかでお会いしましょう」
商人は馬車を走らせた。そして、まきゆづは剣を武器庫に入れる作業を再開したがまたすぐに妨害が入った。
「まきゆづさん。おはようございます!では早速クエスト完了報告をしに帝国に戻りましょう」
{ナハトとヴァクス俺がこいつの相手をしとくからさっさと武器庫に剣を入れといてくれ}まきゆづは振り返った。
「どうしたバルトそんなテンション高めで?いい事でもしたのか?いや、昨日はお楽しみでしたね」
「お前まさか、見たのか?まぁそれよりお前の表彰が今日あるんだろ?なら早く行った方がいいだろ」
スルースキルが意外と高かったバルトに一瞬引いたまきゆづは驚いた。
「そ、その件だが。俺は何もしてないことにしてお前たちが全部した事にしたいのだが?」
「何を言ってるんだ!この偉業を成し遂げたのはお前だ!俺達が表彰される事なんて一つもしてない!」
「頼む!俺はこういう事が一番嫌いなんだ。頼むから変わってくれ!」
「そう言うなら、、まぁ、本人が嫌って言ってるんだし。代わりに俺らが受けてあげるからちゃんと城には来いよ」
「ありがとう。恩に着るよ」
『ご主人、終わったよ』
{分かった。じゃあ早速本来の姿に戻ってくれないか?帝国に帰るぞ}まきゆづは貰ったパンを食べ始めた。{確かに黒パンよりは固くないな。けど、あまり食べたくはない}まきゆづがパンを食べてる間に元の姿に戻ったナハトたち。
「よしじゃあ早速帰るか」
「わかった。二人を起こしてくるからちょっと待ってくれ」
バルトが宿に戻って行った。そして、まきゆづはナハトの背中に乗った。
「お兄ちゃんこのデカいのは何?」
「こいつか?こいつは龍だ。しかも、一番強い龍だ」
「そうなの。すげーかっこいー!」
『ご主人、誰が妾が一番強いといった?』
「ヴァクスだが?」
『妾が強いわけではなく、妾とは違った別種が強いんですが?』
「マジで?」
『はいそうです。おそらくですが、深淵龍バハムート・ツェアファレンだと思うんですが?そのほかにも神龍グランツ・クロイツもいますし。煉獄龍ブラント・ケルツ、迅雷龍エレクロトロン・ブリッツ、神風龍フリーゲル・レーレ、地焔龍フェルス・ザイスミッシュ、水雷龍レーゲン・ヴォーゲン、零塹龍グレッチャー・ラヴィーネこれで全部です』
{これは、ケジメ案件だなヴァクス?}まきゆづがヴァクスの方をちらっと見た。
『さーてと支度のじゅびを、、、、待って俺が悪かった。俺だって知らなかったんだよ!』
ヴァクスが必死に弁護するもどんどん近づいてくるまきゆづ。
「尻尾で許したるわ」
そう言ってヴァクスの尻尾を切り落とした。そしてすぐさま回復させ尻尾をその他に入れた。
「準備出来ましたよ!では早速行きましょう」
「そうだな。三人はヴァクスに乗ってくれ」
「分かった」
三人はヴァクスの背中に乗った。そして、まきゆづはナハトに乗った。
「目標ヴィルヘルム第三帝国。発進!」
『『おぉぉぉ!』』
ナハトたちは飛び上がりヴィルヘルムに向かった。
こんばんは!クソ雑魚ナメクジのまきゆづです!えーとですね。枢軸国の栄光が気づいたら1000人以上の方々に読まれておりました。やったぜ今日は赤飯だ!とりわけ、読者の皆様ありがとうございます。よかったら、評価、ブックマーク登録の方よろしくお願いします。えっ?することによって何が変わるかだって?投稿者のモチベーションとクソ雑魚ナメクジを卒業するためだ!




