入国
龍に運ばれヴィルヘルム第三帝国の門の前で馬車を下ろしてもらった。そしたら、当たり前だけど帝国軍人が多く現れた。相手からしてみたら入国税を取り締まっていたら上から急に龍が訪れるのだ。エンカウント性だったら今頃ここら辺は火の海だろう。
「皆さん落ち着いてください。この龍は僕の従魔なので皆様には決して攻撃などしません<そちらが攻撃をしてこない限り>ですから、ここを通してくれませんか?」
「そうはいっても信用しろって言うのが無理があるんじゃないか?ちゃんと攻撃しないという証拠を出してくれないとこっちも通せないんだが?」
「そうですか、ですがこの龍は暗黒龍のナハトですよ。そこらへんにいる竜よりも頭は良いと思いますが、下手したら人間より賢いかもしれませんよ。こっちの雑魚はおいといて」
「まきゆづさん、話のながれで俺の事雑魚っていうのやめてください。これでも俺はあそこの土地を統べる龍なんですから」
「あんたぁ黙っとれ!ですから通してくれませんか?」
「そこまで言うのならって言うかナハト様なら問題ナイデスネ。もし、この街の中で問題が起きたら直ぐに処刑にさせますから」
「分かりました。では通らしてもらいますね」
「待った、従魔税を払ってから入れ」
そういう仕事はちゃんとしている辺り抜け目が無かった帝国兵たちであった。
街に入ると周りからもの凄い視線を受けていることに気づいたまきゆづ。とにかく、目立ちたくないまきゆづは戦線を離脱しようと思ったが問題を起こしたら殺されることを思い出したのでその場に留まることにした。
「学校はどこ?全くわからんのだけど」
「皆様が通う学校はあちらにございます」
そう言って運転士のおじさんが教えてくれた先を見るとバイエルン総合学校の学園が目の前にあった。
「それでは皆様、ここにサインをください」
龍尾がサインしている間に雪姫とまきゆづは早速学園に入っていた。
「この学園広い!ナハト、ほい!」
まきゆづがナハトに閃光爆弾を投げた。ナハトはそれを軽々しく尻尾でヴァクスに弾いた。ヴァクスも真似して尻尾でやろうとしたらミスった。
「目が~!なんも見えねーよ!」
閃光の爆発によって辺りに凄い光を発生させた。ヴァクスは勿論まきゆづ達も少しやられた。
「君達ここで何をしている!あっすいません、何をしているんですか?」
教師らしき男が最初は強めに来たがナハトを見た瞬間丁寧語を使い始めた。
「俺達は今年の生徒だ。少し、早く着いてしまったが問題はないか?」
「はい。おそらくですが、大丈夫だと思います」
「このクズ龍とナハトはどうすればいいですかね?」
「まきゆづさんさっきもいったとうり俺を話の中でいじるな」
男は考えていた。だが、龍たちの大きさを見て直ぐに答えが決まった。
「本来ですと従魔を預けるところがあるんですが、この大きさでは無理ですね」
「おい、どうするよナハト。小っちゃくはなれないのナハト?」
「俺をハブらないでください」
『そうだな、なれるかと言われるとなれるがあまりなりたくは無いがなるしかないのか』
「そうだな」
『ヴァクス、お前も小さくなれるだろう。小さくなるぞ』
ナハトがヴァクスに合図を送るとヴァクスも頷き、ともに小さくなった。
『これでどうだ?』
ナハトがまきゆづの頭の上に立った。ヴァクスはまきゆづの肩に立っている。
「このサイズだとどうですか?」
「このサイズだと室内持ち込みオッケーですね」
「だって、どうする?俺と一緒に住むか、他の従魔たちと暮らすか?」
『ふ、言うまでもないだろう。妾はお主と暮らすぞ』
「俺もだ!」
「二匹とも一緒に住むそうです」
「その方がいいかもしれませんね。この子たちは龍なので他の従魔たちが怯える可能性もありますし」
そして、教員は何かを忘れているような気がしてならなかった。
「すこし、待っていてくれないですか?今少し部屋の事に関して確認をしてきます」
そう言い残し教員は学園に向かってった。
「それにしても結構小さくなったな。街に居る時はこれの方がありがたいな。でナハトどうして君は私の頭の上に立っているんだい?」
『すいません、あいつと同等の場所に立ちたく無かったので』
「それは、仕方ないわ。それともう一つ聞きたいんだけど、お前たち俺の受ける授業ついでに受ける?」
『人間がどのように学ぶか興味があるのでな学ぶに決まっているだろ』
「俺も、俺も」
「よし、じゃあさっきの続きをしよう!ダークシーン」
そう言ってまた、まきゆづが視界不良効果の付いたボールを作ってヴァクスに投げた。
「急展開すぎますよ!」
ヴァクスがナハトにパスをした。そして、ナハトは無言のまま尻尾でフルスイングをしてまきゆづに返した。
「もろたでヴァクス!」
まきゆづはその威力を利用して魔力カウンターをした。しかも、追尾付きで。
「やめーや!」
ヴァクスは逃げるも圧倒的にボールの方が早かった。ボールはヴァクスの腹に当たった。もちろん、このボールは遊ぶために作ったため威力はそこまでない代わりに目が見えなくなる効果がとてつもないほど長くなっている。
「前がー!何も見えない!誰か助けて!」
「すいません、お待たせいたしました。さっき確認したところメイドの数が足りないとの事で学園長が直々に探し回ってるとの事です。メイドが居ないので四日後にまたお越しくださいとの事です」
「そうか、じゃあ宿屋にでも泊まるか」
「だな」
「全員で宿屋を探すぞ」
「「「おー」」」
そう言ってみんなで宿屋を探しに向かった。ヴァクスはいまだに目が見えない。心が優しいまきゆづが肩に乗せて運んでいた。
「それにしても、ここはモクーラン公国とは違った雰囲気だね。向こうはお店が一部に集中してたけど、ここは全体的にまばらになってるね。代わりに結構貧富の差がはっきりとわかっているけど」
「そう言えば言い忘れていたんだが、バリュート手作りの学園案内にはあの学園結構なお金持ちが集まるところらしい。下手したら俺らの首が吹っ飛ぶかもしれないな。だが、そんなことは起きないと思うが一応周りには注意をしとけよ。特にまきゆづお前は時々失礼な行動しかとらない時とからるから」
「ハハハ面白い冗談を言うようになったな龍尾。まあ俺もそれを少し自覚していたんだけどな」
たわむれながら歩いていると雪姫が宿屋を発見した
「ここなんてどうかな?」
「まぁ、もう大体7時くらいだし。そこでいいよ」
「せやな」
早速龍尾達はホ宿屋にチェックインをした。勿論、予算削減のため、三人とも同じ部屋で寝ることにした。
「夕飯はどうするの?」
「各自好きなものを食べるそれでどう?」
「いいんじゃない」
そう言ってまきゆづの資金を三人で綺麗に分けた。
まきゆづ
「さてと俺はどうしようかな?そこら辺のお店に入って適当に食べようか」
『そうだな』
「目がぁ。まきゆづさん直してくださいよぉ」
まきゆづはテキトウに目に入った店の中に入った。
「いらっしゃいませ。一名様ご案内」
入るとなかなか繁盛しているお店を引いたまきゆづ。案内してくれたのはこのお店の看板娘と知るのは後々のことである。
「何にします?」
「あの、メニューをください」
そう言って看板娘がまきゆづにメニューを渡す。
「家は、煮魚とかが結構おいしいですよ。お肉を食べたいなら私的にはさっぱりした鳥肉のステーキがお勧めです」
「じゃあ煮魚一つと鶏肉のステーキを二つ頼める?」
「もちろんです。飲み物はどうしますか?リンゴジュースとかありますよ」
「じゃあリンゴジュースも貰おうか」
「はい!喜んで」
そして、看板娘はオーダー票を厨房に張った。
「おにいさん、ここは初めてだよな。今さっきの子がここの看板娘のセシル・バルムだ。みんな愛情をこめてセシルって呼んでる。このお店は一昨年ぐらいに始まってな。この子のお父さんがお店の経営をしていてな。家族二人で頑張っていたら去年から経営が波に乗って今に至るんだ。この店は朝昼夜とやっているから結構行きやすくてな。しかも、値段も良心的だから儲けがあっても無くってもついつい来てしまうんだ」
隣に座っていたおじさんにこの店の簡単な説明を受けた。
「これリンゴジュースです。あともう少しで煮魚を持ってくるからね」
まきゆづがリンゴジュースを飲み始めた時と同時に後ろで騒ぎが起きた
「今回のクエストは俺が一番働いたから俺が少し多く貰ったっていいはずだ!なのに何できれいに山分けをしなくちゃいけないんだ!」
どうやら四人組のパーティーが報酬でもめているようだ。しかし、まきゆづは気にせづリンゴジュースを飲んでいた。
「どうぞ煮魚です」
「ありがとう」
まきゆづは面倒ごとに巻き込まれるのは嫌だが。それを見聞きするのが好きだったりもする。
「お前らから銀貨一枚ずつ貰うぞ!」
大男がそう言ってみんなから銀貨を貰おうとした。
「ダメだ!このクエストの報酬はみんなで分けるって約束しただろ!」
「じゃあ、力ずくで俺を止めてみろよ!」
リーダーらしき男が大男に殴り掛かった。大男の顔面に綺麗にジャブが入った。
「この野郎!これでもくらえ!」
大男がエールの入ってた瓶を投げるも男はそれをよけた。そして、それはまきゆづに当たった。
「いて。はぁ、リジェネレイション」
まきゆづの後頭部に当たった瓶は割れ、まきゆづにも少し傷がついた。
「避けてんじゃねえよ!」
大男が今度は皿を投げた。しかし、男はそれをよける、更に避ける。男が避けるたんびにまきゆづの後頭部に当たって行き皿が割れる。まきゆづは割れた皿から片っ端に直した。そして、それを龍たちに空中でキャッチしてもらい机の上に置いた。
「お客様大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ」
「そうですか、これが鶏肉のステーキです」
そう言ってセシルが鶏肉のステーキを置くとすぐさま暴れている人たちに向かった。
「お客様すいません。もめ事はお外でしてくれませんか?」
「部外者が口出ししてんじゃね!」
そう言って大男がセシルに向かって剣を投げた。しかし、それを受け止めたのはまきゆづだった。剣をアイテムボックスに入た。
「パーソナルカット」
大男が急に倒れた。
「ありがとうございます!」
「気にするな。こんな奴がいると飯が不味くなるから黙らせただけだ。そいつは今意識を失っているから後処理は君達に任せたよ」
そう言ってまきゆづは自分の席に戻った。
「あっお前ら何人が楽しみにしてた煮魚食ってんだよ」
『冷めるとまずいから食べちゃった。味はとてもよかったぞ。鶏肉のステーキも。妾はまたここに来たいぞ』
「はいはい、また明日な。すいません。会計をお願いします」
「はーい。合計銀貨2枚ですね」
まきゆづはお金を払って直ぐに出ようとした時セシルに止められた。
「本日は誠にありがとうがざいました。これ、朝食の割引券です良かったらまた来てください」
「ありがとう。また来させてもらうよ」
まきゆづはそう言って宿屋に戻った。
ぎりぎり本日投稿三回目!クソ雑魚ナメクジのまきゆづです。やっと帝国に到着しました!私の青春をとくと見よ!




