扉
初めて書いてみました。
拙い文ですが、是非最後まで読んでいってください。
誤字脱字、違和感があれば教えてください。
※グロ要素なし
『今日も特に何もしなかった。』
そう日記に書いた。
俺は毎日日記を書いている。
引きこもりで毎日家で牧場ゲームと食料調達をしているだけで、勉強どころか人とも会話なんてしていない。
しかし、こんな俺にもNPCと言う友達がいる。毎日同じ言葉を繰り返す。それが俺の日常だった。
インターネットなんてそんな大層なものは、ここにはない。ここはど田舎だからな。
俺は明日も明後日も同じ日が続くと思っていた。それなのに今日の夜いつもと同じように眠っただけなのに人生で最悪な出来事が起きた。
目が覚めたのと同時に俺の目の前には数えきれないほど人がいた。
「え?っあ?あれ?」
おかしい、なにもかもがおかしい。
「邪魔だ!道のど真ん中で突っ立ってんじゃねぇ!」牧場ゲームに出てくる優しいおじいちゃんとはまるで違って今にも殴られそうな感じがした。俺は怖すぎて涙目になりながらも生まれて初めて使う言葉を喉から発した。
「すみませんでした!!!」怖いおじいじゃんはもういなかった。
俺は右も左も分からないまま、ただただ歩いていた。そう、歩いていただけだ。
今度は俺の右側を走り過ぎた少女が変な石を落とした。それを拾い上げ少女に手渡そうとしたのだが、もういなかった。
「勘弁してくれよぉ」俺は泣きそうになりながらも少女を探しに行こうとした。
その時、石が突然光りだしたのである。
「え?なになに?」周りの人たちが視線を俺に浴びせてくる。
子供たちは好奇心で俺のほうに近寄って来る子もいれば、指をさして「あれなに、あれなに」と親に問い詰める子もいた。
俺は失神してしまいそうだったが、その問題はすぐに解決した。
理由は多分この石が俺をよくわからない場所に転移させたからだ。
よくわからない場所と言うのは前にしか進む道がない場所なのだ。
もう少し具体的に言うと、右も左も後ろさえも断崖絶壁でとてもじゃないが、ど田舎暮らしの俺には初めての光景で足の震えを止めるなんてことは出来ない。
いつの間にか俺の顔には、涙だけでなく鼻水までもじゅるじゅる出ていた。
とりあえず、前に進むことにした。そこには、大きな扉があり、開けようとはするのだが、鍵以前の問題だった。
力が足りない。
「おいおい、嘘だろ、やめてよ、こんなところで一生を終えるなんて絶対に嫌だよ。」
五分ほど地面に『ティッシュほしい』と書き続けていると、崖をクライミングしてきた旅人らしき人が三人いた。一人目は男でかっちょいいナイフを持っていた。二人目は重装で男か女かわからないが、こいつもそれなりにかっちょいい大きな杖を持っていた。三人目は女で前者のナイフとはまるで比べ物にならないほど、しょぼそうなナイフを持っていた。というかナイフというより俺が食料の蛇を狩っていた時に使っていた、黒曜石を削ったやつとほぼ同じものだった。
はっきり言って可哀そうだった。
そして、三人は俺に訝しげな視線を浴びせながら、扉の方へと進んでいく。
扉を重装備の奴が開けてくれた。願ってもないことだ。だが、これで助かると思っていたのに、三人は突然目の前から消えた。扉の奥に何があるのか好奇心と恐怖で葛藤していた。しかし、その奥にあるものが俺を先刻の方へと導いてくれた。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回も頑張ります。