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55 『夢幻、虹』『それだけで良かったのに』
★ お題:『夢幻』『虹』
虹の橋を渡りたいと幼い頃から思っていた。でも大きくなるにつれて、光の反射による幻と知り、がっかりした。自分の追いかけていたものは夢幻の存在だった。
だが虹は代わりに光の不思議さを教えてくれた。
科学はファンタジーの宝庫だ。それに気づいたあの日が、科学者生活の始まりだったのだろう。
★ お題:『それだけで良かったのに』
ここにいることに気づいてくれる。それだけで良かったのに。でも誰も振り向かない。
私は、存在を無視するという残酷なゲームのターゲットにされたのだ。
だがゲームのルールは変わった。主役なら主役らしく注目されよう。
私は校舎の屋上に立ち、人々の群れに銃口を向けて引き金をひいた。
(2017/05/18執筆)