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49 『赤、もし』『寂しそうに笑う』
★ お題:『赤』『もし』
もし手首を切って流れる血をグラスに注いだなら、彼は来てくれるだろうか。
もし我が身を切り裂き全身を赤く染めれば、彼は私に気づいてくれるだろうか。
何度試しても彼は来ない。私は身も心も傷だらけになった。
それでも私は待っている。鉄格子の向こうに見える、青白い月を見上げながら。
★ お題:『寂しそうに笑う』
「そんな親父ギャグでは笑えないよ。でも慰めてくれようとしたんだね。ありがとう。もう大丈夫だから」
そう言って彼女は寂しそうに笑う。
無理するなよ。頬が濡れてるの、気づいてないのかい?
僕はハンカチを取り出し、彼女にそっと差し出した。
(2017/05/12執筆)




