39/100
39 『視線、手紙』『声も出せない』
★ お題:『視線』『手紙』
手紙が届いた。ファンが高じてのストーカーは返事を出さない私にいら立ち、とうとう脅迫状を送ってきた。警備員に守られてライブハウスに入ったとき、ナイフを持った男に襲われた。犯人は捕まり安心できると思ったとき。
「手紙の主は僕だよ」刃物を手にした警備員が、冷たい視線で私を見つめていた。
★ お題:『声も出せない』
陽が落ちてキャンプ場は真っ暗になった。友人は僕をテントから出し、空を指さした。
満天の星だ。なじみのある一等星が埋もれるほどに星が散らばり、ミルクを流したような天の川が郷愁を誘う。あまりの美しさに声も出せない。
僕は星空に郷愁を覚えた。
あの体験が宇宙を目指すきっかけになった。
(2017/05/02執筆)




