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38 『なびく、男子』『君に預ける』

★ お題:『なびく』『男子』


今日の実習は月面基地の外での活動だ。僕は旗を持ち、軽く揺さぶった。抵抗がないおかげで、いつまでもはためいている。地球から来た男子は驚いていたが、僕ら月生まれには常識だ。

逆に僕は地球のことが解らない。いつか地球に行き、宇宙服なしで外を歩く。月では考えられない体験をしてみたいんだ。



★ お題:『君に預ける』


「君に預けるから好きに使いなよ」

彼は傘を私に押しつけ、雨の中、タオルを頭に乗せて走り去った。

どうせなら一つの傘で歩きたかったのにな。でも家が反対方向だから仕方がないか。

家に着くころ雨は止み、東の空に虹がかかった。

私はそれを撮影し、ありがとうの一言を添えて、彼に送信した。



 (2017/05/01執筆)

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