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2 『本、手紙』『子供のように拗ねる』
★ お題:『本』『手紙』
父の書棚から出した古い本に、達筆すぎて読めない手紙と、古びた写真が挟んであった。父に見せると、曽祖父が出兵するときに書いたものだと解った。
教科書の出来事だと思ってた戦争は、実はこんなに身近なものだった。
曽祖父のことを知りたくなった昼下がり。
遠くで蝉が鳴いている。
★ お題:『子供のように拗ねる』
「また乗り過ごしたのか」
呆れて声をかける彼。乗れよと言われたけど無視。誰のせいでやけ酒飲んで、終電乗り過ごしたと思ってるの?
「ケーキあるよ」
ずるい。でも誘惑には勝てない。
情けないけど釣られちゃった。
悔しいから、今夜はもうちょっと、子供のように拗ねて困らせちゃおうかな。
(2017/03/26執筆)