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HKBと変態怪人の秘密。

髭マッチョから、衝撃の真実が伝えられます。

あたい、ものすごくマヌケな顔になってると思う。

マサハルと顔を見合わせると、マサハルも目が真ん丸になっていた。

「オホホ、ナイスリアクションよぉ。」


髭マッチョは何事もなかったかのように臀部から縦笛を引き抜くと、ユキに渡した。

「さ、あなた達、もう遅いから今日は帰りなさい。明日の放課後に、ぜーんぶ、教えてア、ゲ、ル」

頭が混乱したまま、あたい達は帰路についた。


髭マッチョが変態だったなんて。

じゃなかった。化け猫だったなんて。

本当にいたんだ。自分たちとは違う存在が。

これからどうなるんだろ。

うーん。難しいことはわからないや。


翌日の放課後。

あたいとマサハルは、髭マッチョに進路指導室に呼ばれた。

「えーと、どこから話せば良いかしらねぇ」


ユキとマサハルは、衝撃の真実を聞かされることになる。


人間は人種によって肌や髪、目の色が違う。

同じように、不思議な力が使えたり、変身できたりと、特異な体質を持つ人種がいる。

それが怪人である。


怪人には二種類いる。

ノーマル怪人と、変態怪人だ。

他の人種を遥かに超える能力を持つ怪人の多くは、おとなしく人間社会に溶け込んで生活しているが、変態怪人は、欲望のままに変態行動を行っている。


ノーマル怪人たちは、力を合わせ変態怪人たちを捕まえ、成敗しているのだが、対応しきれていないのが実情である。

というのも、他の人種に比べて怪人は身体的には優れているのだが、知能は劣っている場合が多い。

つまり、日々の生活をしていくので精一杯なのであった。


そこで、ノーマル怪人たちは人間と協力して変態怪人を粛正すること目的とした組織を設立した。

それが、変態怪人バスターズ。略してHKBである。


「というわけで、あなたたちはHKBのメンバーに選ばれたわけよぉ。あ、先生はノーマルだから安心してねん」


なにそれ?そんなメルヘンな話が現実にあるの?

髭マッチョは怪人なの?変態じゃない方の?

怪人うんぬんは置いといて、ノーマルだってのが信じられん。


マサハルは嬉々とした表情だ。さすがオカルト変態。

「ぼ、僕、頑張ります!変態怪人と戦います!」

髭マッチョは満足そうに頷く。


マサハルはやるんだ…

あたいは?あたいはどうすれば良い?

「あ、あたいは嫌よ。だって危険じゃない。

あたいの家はね、平凡な家族なの。

そんな、変態怪人と戦うなんて、できるわけないじゃない」

そうだよ。普通の小学四年生なんだよ?

妄想では親分気取りだけど、現実の分別はついてるよ。


「そうかしら?見てたわよ。神社で変態怪人と戦って、勝ったじゃない?

変態怪人ショタスキーにね」

「あ、あいつ、変態怪人だったの?って、見てたの?」


これで納得できた。

あんな不健康そうな太っちょが、マサハルを担いで神社まで登れるとは思わない。

あたいの攻撃が避けられたのも怪人だったからなんだな。

残像を残して避けるなんて、普通の人には無理だもの。


「あなたたちを見てピンと来たわ。次代を担う変態怪人バスターになれるってね。

HKBのメンバーはあなた達を入れて日本には48人いるわ。

候補生を合わせると数百人いるわね。」

どこぞのアイドルグループみたな組織だな。

「変態怪人を捕まえる毎に、500円のお小遣いが貰えるわよ。」

「あたい、やります!」


すっかり遅い時間になってしまった。

マサハルと並んで夜道を帰る。

「ユキさん、何だかワクワクしますね」

あたいが引き受けた理由の半分が子分を守るためとも気が付かず、陽気に話してくる。

500円につられるほど、あたいは安い女じゃないんだからね。

「無茶はしないでよね。相手は変態でも怪人なんだから。

子分は親分から離れちゃダメなんだからね」


二人を見送る髭マッチョの影から、少年が出てきた。

「ただいま修業から戻りました。」

「ご苦労でした。ユタカ、明日から二人のフォローをしっかり頼みます」

ユタカと呼ばれた少年は、再び影に沈んでいった。


「…血は争えないわね。

あのHKBの英雄と言われた二人の子が、同じ道を歩むことになるなんてねぇ。」

ユキとマサハルが完全に見えなくなった後、髭マッチョは大きな黒い虎に変身し、咆哮を一つあげる。

そして、闇夜に飛び込んでいった。

というわけで、HKBメンバーになった2人。

今後の活躍にご期待ください。

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