四章 王都ランバル
空は何処までも青く、森の木々は春から夏へ向け、その青さを増している。
そんな爽やかな初夏の木漏れ日を感じながら、僕は体育座りで雲の数を数えていた。
「あの雲で寝れたら気持ちいいだろうな~」
頭の中で父さんの言葉、自分の使い魔を信じろがリフレインしている。
父さん・・・もう、くじけてしまいそうです。
「バーベキューになっちまいな!」
フェンリルの前に幾つもの炎の塊が生まれ、空を舞うナーガに向かって放たれる。
見事な旋回でそれをかわし「数撃てば当たるものでもないぞ」今度はナーガの前に、氷の槍が生まれ地上に向けて突進する。
余裕を持ってかわしたはずのフェンリルだったけど、地面に氷の槍が当たった瞬間、周りの地面が一瞬で凍り、フェンリルの前足が巻き込まれ動きを封じられる。
ナーガが動きを封じられたフェンリルに向かって、追撃の槍を飛ばす。
当たると思った瞬間、凍った地面ごと力尽くで足を引き抜きフェンリルはかわした。
もちろん僕だって止めたさ!でもね・・・
「マスターは引っ込んでな!」
「マスターには関係ない!」
契約したら魔獣は従順なんて嘘っぱちだ。
ナーガに「歩いて行くよりも最初っからナーガに乗って行った方が早いんじゃない?」て言ったら「若いうちから楽を覚えるとそこのダメ犬みたいにろくな大人にならないぞ」と却下
フェンリルに「一人で全部荷物持ってると重いしちょっと持ってくれない?」と相談したら鼻で笑って無視。
一つも言う事聞いてくれないマスターて何?
グ~とお腹が、空腹を訴える。
落ち込んでいても、お腹は減るらしい。
少しでも荷物が減れば軽くなるしと、保存食の干し肉をかじり始める。
肩がポンと叩かれ振り向くと「俺様のは?」と、さっき迄凄まじい魔法の応酬をしていたのに、そこには何もなかったように満面の笑みのフェンリル。
ナーガも既に地上に降り立ち翼の手入れ中で、どちらもかすり傷一つ負っていない。
「え?だって魂の契約したら僕の魂を糧にしてるから水も食料も必要ないんじゃ・・・」
フェンリルが右前足で、自分の額を押さえて顔を左右に振る。
「か~っこれだから素人はっ!いいか、魂の契約してても味覚つ~もんは残ってるんだぜ。美味いもん食えば幸せってもんだろ」
そういうものなんだ・・・自分の一週間分の食料しか準備してない。
「こんなマスターの使い魔になった奴は可哀相だぜ」
それは遠回しに自分が可哀相と言っているの?
でも、断言出来る。
こんな使い魔のマスターになった人の方が可哀相だ。




