表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

2 そして今日もいつもの学校。

1話目の感じでわかるとは思うけど、初対面の読者の皆様に想いをぶちまけるほど焦ってる今日この頃ってわけです。

いつのまにか時刻は夜7時。例の手紙を上原君の机に入れて、うわぁあああえぁぁって感じでダッシュで帰宅したのが5時ごろだったから、かれこれ2時間もベッドに突っ伏していたのか…。

SNS中毒の私が2時間もスマホに手を伸ばしていないなんてもうすぐ世界がおわる、かもね?




翌日、心がタップダンスを踊りだしそうなくらい落ち着かずに学校に行くと、幼稚園時代からの親友、飯坂 蘭(いいざか らん)が、超にやにやしながらこっちにやって来た。夜中に送った「告っちゃったよどうしよううわぁぁぁあたすけてへるぷみー」的なメールのせいだと思うんだけど、そこまでにやにやしなくてもよくない…?

それに蘭、そんな顔したら美人が台無しだって!

「イカすみちゃーん」

「はぁあ?!」

ちょっと!今ここでその呼び名はないでしょ!空気読め!

「誰がイカすみなわけ?!」

「え?あ、まあいいか。で、ついに告ったんだねぇぇぇえっ」

「しーっ!声が大きい!」

蘭は美人だ。おしとやかで優しくて、雷にびっくりしてかわいい悲鳴をあげちゃったりなんかしていて、「守ってあげたい女の子」の鑑と言っても過言ではないだろう。

でもそれは蘭の裏の姿でもあることを、私(プラス約一名)は知っている!

蘭は、大のゴシップ好き。そして、水素と同じくらいといってもいいほど口が軽い。

普段はもちろん、そのおばちゃん並の本性を隠しているけれど(これがいわゆる『猫を被る』と言うやつ)、幼稚園時代からの付き合いの私(プラス約一名)には隠し通せない。というか、蘭って幼稚園から噂大好きだった記憶がある。

そんな性格(本性)の蘭だから、私のはじめての告白に私以上にきゃあきゃあなっちゃうのも、まあ分かるっちゃ分かる…かな?

「あーごめんごめん。でも、本当にやっとって感じだね?というか、よく冷めなかったねぇ」

うるさーい!そういう蘭だって…。まぁ、蘭の裏話はまたの機会にしておこう。

「冷めるわけないよー本当に好きだったんだから」

「イチズだねえ」

蘭はにこにこしてるけど、私は本当に本当に焦ってるんだからね?!

それはそうと、その上原君はどこにいるんだろう…。まだ来てないのかな…。まぁ、なるべく顔を合わせたくないっていうのが本心だけど。

私が教室を見渡しているのを見て察したのか、蘭がまたにやにやしながら言った。

「あぁ~すみれの王子様なら、図書室にいると思うよ?朝早くに、本持って教室を出て行ったから」

「あぁ、そう…」

一部不適切な表現があった気がするけど、まぁ、またの機会に暴露する蘭の裏話で仕返しってことで。

「行けば、図書室?」

「誰が行くか」

私がこんなにおろおろしてるのになんで蘭はそんな調子っぱずれなこと言うわけ?!…って言っても仕方ないけどね。こんなことでキレるほど短気じゃないさ。

「それよりさ、返事、くれると思う?」

私が何げなくきくと、

「う~ん…どうだろうね…。でもあの人は真面目だし、人の気持ちを尊重するいい人だから、大丈夫だよ

、きっと!」

そんなにこにこ笑顔で言われても、言ってるのが蘭だからちょっと信用できないです。すみませんね。

すると、いつものようにHR開始の予鈴が鳴り響いた。うー、上原君帰って来ちゃうじゃん…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ