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9 助っ人は幼馴染。

落ち着こう。ひとまず落ち着こう。私は滝に打たれる修行の身。強靭な精神力を養うために、人里離れた山奥にやってきt


「えー?なんか言ってよぉ!もーすみれってば、照れてるの?かっわい~」


落ち着け、落ち着くんだ自分ーーー!!


「あ!え、えと」

「なーにおどおどしてんのー!わたしでよければ協力するって言いに来たのー!」

キャハハッと笑って私の背中をバッシバッシ叩く詩音。ちょ、痛いよ!というかど、どういうことぉぉぉぉぉ?!

まさか…まさか蘭の奴め…っ!?

無意識に蘭のほうを向くと、にこにこな蘭の顔には無数の汗の玉。おいっ!


「え、ままさか、蘭から…?」

聞いたの?と問う前に、詩音のほうが口を開いた。

「昨日、らんらんから聞いたよ♪すみれ、隼人のこと好きなんだね!」


おいぃぃぃぃぃぃぃっ!




放課後、電気の消えた教室に、蘭と私は二人でいた。私の頭の中はさきほどの出来事でいっぱい…。


バレた…それも世界で一番バレたくない人に……!


もうどうしてくれるんだよぉぉぉぉぉぉ!

つっぷした私に向って、蘭が必死に話しかける…というか、なぐさめてくれている。

「でもでも、詩音は上原君のこと好きなわけじゃないって言ってたし…。幼馴染だよ?一番有力な協力者を得た…んじゃない?」

あ、そうか。


「そっか…!」

「で、でしょでしょ!」

私の顔と私の未来が輝き始め、蘭はほっとしたように笑った。

そっか、そうだよね!!上原君のこと好きじゃないんなら、詩音は超強力な助っ人…ってことだよね?!

(単純なやつめって思うかもしれないけど、こういう状態のことを「恋に振り回されてる」ともいうヨ!)

「だから、いままでみたいにやきもきしなくても、詩音から上原君情報を得られるかもよ!」

「そっかそっかぁ~あははは」

和やかに笑いあう、蘭と私。やっぱり学校生活はこうでなくちゃ。恋のライバルにはらはら…なんて、気が気じゃないじゃん?


気づけばもう、4時半をまわっている。30分も机につっぷしてたなんて…。

「さ、帰ろ!」




結局今日も、上原君との会話はなかった…。でもまぁ、蘭のおかげで詩音はライバルじゃないってわかったし…。でももう告白からもう3日たったよね。これって脈なし?でも「告白ありがとう」って言ってくれたのは何?

部屋のベッドに寝転んで頭を悩ませる。なんだかスマホに手を伸ばす気分でもないし…。やっぱ恋は人を狂わせるね。

あああーもう面倒くさい!はやく返事してくれればいいのに。というか、やっぱ手紙に「2日後にお返事ください」とか書けばよかったのかな…。もっと上原君が対応しやすいようにすべきだった?

でも「面倒くさい」って気持ちよりもはるかに「もっと話したい」って気持ちのほうが大きいし、このまま前みたいに話せなくなったらどうしようって思うし…告白の返事うんぬんよりも、もっとちゃんと話したい。でも気まずい…。せめて何かチャンスでもあれば……。

やっぱりやっぱり、告白なんてしないほうがよかったのかもしれない…。


すると、不意にスマホが鳴った。誰?今はSNSの返信さえもおっくう。

画面を見ると、それは詩音からのメールだった。


すみれ!こんど近くの神社で、夏休み初日にお祭りあるじゃん?そこに、らんらんと筑波嶺君と隼人とすみれと私で行かない?隼人にそこで告白の返事してもらえるように、私も頑張るからさ!どうかな?

*Utane*

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