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第二話 異世界(15)

牢獄の門番をしていた三咲と瑞穂と合流すると”聖なる泉”を目指す。


牢獄を破った事を悟られるのも時間の問題だった。


急いで目的の場所に行かなければならない。


城の中にある一室に二人の兵士がくつろいでいる。


その部屋の中に隠し通路がある様だった。


その兵士たちに気付かれない様に間合いを縮める。


そして、一気に私と理穂でその二人を叩く。


兵士たちも私達に気付いた頃には攻撃を繰り出していた。


バタバタと倒れて気を失ってしまった。


兵士たちを見つかり難い場所に片付けていよいよ裏通路に入る。


テーブルの下の隠しボタンを押すと『カチッ』とロックが外れる音がする。


机の下の石畳を一つ取り除くと、やっと一人が通れる程度の穴が開いている。


女官『ここから入って下さい。急いで!』


次々とその中に入っていく。


そして、徹が最後にその中に入った時だった。


城中にサイレンが鳴り響く。


徹「気付かれた!急げ!」


全員が隠し通路の中に入った事を確認した女官は、隠し通路が見つからない様に通路の中にあるボタンを押して石畳の蓋を閉じる。


狭い通路の中を這いつくばって前に進む。


理恵「きついね…」


瑞穂「そうね、でも、ここにいるから見つからずにいる。感謝しなくちゃね。」


あの部屋からもう500メートルは進んだ頃だと思う。


肘が擦り剥けて痛みが出る頃だった。


ようやく広い場所に出る。


全員に安堵の表情が広がる。


ミリアム『ここは、お城の中にある極秘の場所です。私もこんな場所があるなんて知らなかった。』


女官『助けて貰ってありがとうございます。僅かですが食料もあります。ここで、少し休んでから”聖なる泉”を目指しましょう。』


徹「はい、ありがとうございます。」


美紀「少し休みましょう。立て続けに緊張の連続では身体が参ってしまうわ。」


徹「そうだね。」


瑞穂「でも、何が起こるかわからないから交代でここまで来た通路を見張りましょ。」


這いつくばってきた通路を見る瑞穂。


瑞穂「あれっ?さっき通ってきた通路が無い。」


女官『通路は、封鎖しました。だから、何の心配もいりません。』


徹「瑞穂さん、大丈夫だよ。ここは、安全だ。だから、みんな安心して休もう。」


王様の表情が暗い。


この町をリクアの兵士たちに占領されてしまった事を悔やんでいるのだろうか。


この先の事を考えているのだろうか。


そんな、王様の側に姫様が寄り添い、心配そうな顔つきをしている。


言葉が通じない壁をどうしたらいいのか。


お互いに話をする事さえ出来ない。


ミリアム『姫様…私も王様の事が心配です。あんな辛そうな王様の顔は…初めてです。』


美紀「どうしたらいいの?どうしたら…」


ミリアム『この町をリクアから奪還してください。そうすれば…』


美紀「でも…そんな事…私達、本当に出来るのかしら…」


ミリアム『私達の命は、美紀さん達に委ねられているのです。それしか…無いんです。』


優希「言葉が通じなくても…あの王様の表情を見ていれば優希にもわかるよ。美紀ちゃん、この町を救いたいんだよね…」


美紀「うん…優希ちゃん…理穂も、瑞穂も…力を貸してね。」


理穂「美紀は、一人で何もかも背負う事なんて出来ない。みんなでこの町を救おう。かつて私達の町を救った様に…」


美紀「神様の力は、無いかもしれないけど…うん…そうだよね。」


そんな会話の後、疲れていた私たちは、いつの間にか深い眠りに落ちていた。


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