第二話 異世界(14)
全員がゆっくり兵士の元まで歩き出す。
走れば、警戒されるのを見越しての作戦だった。
兵士との間合いをできるだけ詰めていく。
門番の二人の兵士は、体制を崩してこちらに歩み寄ってくる。
後、2メートルほどの距離になると理穂と三咲が兵士に襲い掛かる。
理穂「うおおおおっ!」
『バシッ!』
一人の兵士は、意識を失い倒れてしまう。
もう一人の兵士もこれだけに人数で襲われては手が出せない。
逃げ出そうとするその兵士の首根っこを押さえた三咲は、私と目で合図する。
そこにミリアムと一緒にいた徹がやってくる。
徹「ミリアム!お願い!」
何やら言葉を話しかけているミリアム。
言葉が通じたのかその兵士は、牢の方を指差す。
ミリアム『鍵は、もう一人の兵士が持っています。奪って下さい。この国の王様は、牢の奥に監禁されています。』
徹「美紀!鍵は、理穂さんが倒した兵士が持っている。探して!」
私は、徹の言うがままに兵士のズボン、服の中を手当たり次第探した。
だけど、鍵が見つからない。
美紀「鍵が無いわ。見つからない!」
焦る気持ちを抑え周りを探す。
理穂「あれっ、ここに何か…」
攻撃に使った木の杖を見てみると鍵を束ねる輪っかがある。
しかし、鍵が見当たらない。
理穂が攻撃した時に鍵を飛ばしてしまったのだ。
全員で鍵を探す。
その時だった。
巡回する兵士の足音が近付いてきたのだ。
私達は、倒した兵士を隠し、身を潜める。
おとりの監視は、私と徹とで牢獄の前に立つ。
足音がだんだん大きくなってくる。
私が遠くの方を眺めると光る物を発見した。
それは、さっき理穂が飛ばした鍵だった。
牢獄への扉の鍵。
巡回する兵士に見つかれば、たちまち不利な展開になる。
気を逸らす目的もあった。
私と徹は、少しオーバーな敬礼をわざとする。
すると、巡回する兵士たちも私達の方を見て敬礼する。
そして、兵士たちに鍵の場所に気付かれる事無く、通り去っていった。
隠れていた仲間達が顔を出す。
徹「ふうっ…」
大きく溜息を付く徹。
鍵を手に入れた私達は、三咲と瑞穂を門番のカモフラージュとしての残し、牢獄の奥へと入っていく。
すると、奥の方に檻が見えてくる。
間違いない、王は、この中に閉じ込められている。
徹から降りて飛び出したミリアムは、檻の前に立つ。
ミリアム『鍵を…』
私は、鍵を手に取り牢の扉を開けた。
そして、王様に女官、それに王の娘である姫様もここに閉じ込められていたのだ。
始めて見た私達の姿に少し戸惑いを見せた王様だったがすぐに私達が救出に来た事を理解した様だった。
先程倒したリクアの兵士を替りに牢獄に閉じ込める。
そして、次は、女官の案内で”聖なる泉”を目指す。
今度は、兵士に変装するなんて事は出来ない。
女官は、裏通路を案内すると言う。




