第二話 異世界(9)
さっきまでの優希と瑞穂の喧嘩が嘘の様にみんなの気持ちが晴れやかになっている。
あの子供たちのお蔭かもしれない。
そして、徹は、子供たちから貰った拳銃を握りしめる。
そんな徹の事にいち早く気付いたのは美紀だった。
美紀「どうして拳銃がここに…徹が持っているの?」
不思議に思う美紀に部屋の中での事を詳しく話した。
美紀「そうなんだ…拳銃…確かに私達の世界の物だわ。」
徹「ここにこれがあるという事は、過去に人間がここに来た事のある証だと思う。」
美紀「球は、入っているの?」
徹「4発分はある。でも、たった4発分しかない。」
美紀「だったら、この世界で球を造ればいいんじゃないの?それから、拳銃も!」
徹「球位なら彼らにも出来ると思うけど拳銃まではね…」
そこへミリアムがやってきた。
ミリアム『ありがとうございます。これは、報酬です。』
たくさんの札束が入っている。
そして、この世界の通貨にしては大きすぎる。
ミリアム達も戻れば、大きな姿になるのだと思う。
『あの子供たちを世話出来たのはあなた方だけです。それ、つまり、神の道具を見ればわかります。』
拳銃を見つめるミリアム。
徹「神の道具?違います。それは、私達の世界の拳銃と言う武器です。」
ミリアム『拳銃ですか。…どうして、あなた方の世界の物がここにあるのでしょう…』
過去に人間がここに来ていた事をミリアムに説明する。
そして、ミリアムの祖父であるマテルが私たちの言葉を話す事も理解できたのだと思う。
徹「もう一つお願いがあります。これを量産できないでしょうか。」
ミリアム『この大きさなら出来ます。大丈夫です。』
拳銃から球を一個取り出して球をミリアムに渡す。
徹「お願い!出来るだけたくさん欲しい。」
(残り三発…大事に使わなきゃ)
そして、ミリアムにこの地下を案内して貰い武器、防具を揃えた。
武器・防具装備
…………
美紀、優希、理穂、理恵、瑞穂、三咲 共通標準装備
武器…木のスティック
防具…皮の服、皮の帽子
徹の装備
武器…拳銃、木の剣
防具…皮の服、皮の帽子
ミリアム
武器…無装備
防具…無装備
…………
という様な軽装備だった。
それでも、ここにある装備品でそれでも一番いい物を揃えている。
先に進むしかない私たちは、リクア軍の衣装の上にここで購入した装備品を纏い旅立ちの時を迎える。
徹「ミリアム、行こう。」
ミリアム『わかりました。』
ミリアムは、美紀の足から膝、そして、胸から肩へと駆け上がる。
美紀「徹じゃなくていいの?」
ミリアム『私は、これでも女の子です。美紀さんの彼氏に寄り添ったら怒られちゃいますからね。』
ミリアムに軽く目で合図する。
出発の時…
『この古びた扉の向こうは、魔物たちの住処となっています。そして、この道は、必ずお城に中に通じています。』
徹、美紀、ミリアムを先頭にその古びた扉を開ける。
そこは、くもの巣に覆われ行く手を塞ぐ。
徹は、木の剣を振って視界を作る。
明かりは、ミリアムが自分自身を発光させて作っている。
その明かりを頼りに前に進む。
そんな小さな明かりで前に進んでいるせいもあるかもしれない。
列の後ろまで明かりが届かない、
足元をしっかりと確認しながら前に進む。
しばらく歩くと何か不穏な気配を感じる。
緊張が私たちに走る。
ミリアム『魔物がいます。何かはわかりませんが…』
足音を殺して一歩づつ前に進む。
やがて、宙に浮く青い光が3個から4個見えてくる。
その光は、周りを警戒しているのか強弱を繰り返している。
ミリアム『ブルーボールを捕まえて下さい。奴らを捕まえる事が出来れば明かりが確保できます。』
美紀『ブルーボール?…で、捕まえるって…どうするの?相手は、強いの?』
ミリアム『そんなに強くありません。ただ、逃げ足が速いので慎重に捕まえないとすぐに逃げられてしまいます。』
ブルーボールのいる場所は、ひとつの小さな部屋になっている。
それを挟み撃ちにする様に私たちは、二手に分かれた。
捕まえる網など当然無いし、とにかく攻撃して捕まえるしかない。




