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第二話 異世界(6)

理恵「言葉が通じない私達が中に入るのは、難しいわね。」


優希「優希の魅力で入れないかな?」


理穂「元の世界なら通じたかもな…」


三咲「お城に入る為の手形か…」


ミリアム『みなさん…お悩みの様ですね。』


徹「そりゃ…ね、言葉が通じない上に手形が必要で、お城の中でもリクアの兵士や騎士がいる。全員動くのは、危険なもしれないな。」


優希「優希は、行きたいよ。この目で確かめてみたい。」


瑞穂「美紀さんは、行くとして、後は、徹君とミリアムさん。それから、優希ちゃんもだね…」


理穂「今回は、遠慮しとくよ。何かあったら呼んでくれ。」


瑞穂「心配だわ。私も行く。」


徹「で…どうやってお城に入るかだけど…」


瑞穂「手形か…難しいな…」


優希「お城に入って行こうとする悪い奴の手形を奪ってはいればいいんじゃないの?」


美紀「そんな事をしたら、返って目立ち過ぎるわよ。」


徹「奪うのは、無理かもしれないね。何か道具みたいなものがあればいいんだけど…」


ミリアム『徹さん、道具ってどんな物がいいですか?』


徹「門番を眠らせる物とか、一時的でもいいから僕たちの姿が消える様な物があればいい。他には…他に入る方法があれば、それが一番いい。」


ミリアム『ちょっと、危険ですがいい方法があります。』


徹「どんな方法?」


ミリアム『この地下には、お城に入る為の地下道があります。ただ、そこは、魔物の住処となっていて通るにも大きな危険が伴います。』


徹「要は、お城への抜け道があって、そこには魔物が住み着いているって事なんだね。」


理穂「だったら、みんなで行こう。一人でも多い方がいい。魔物をやっつけるにしても小人数よりも大人数の方が有利だ。」


三咲「でも、どんな魔物が出て来るかわからないんですよ。武器や防具も無しに戦うなんて無謀すぎるんじゃないですか?」


理穂「それもそうだな…」


そして、徹は、もう一度ミリアムに問いかける。


徹「ミリアム、武器とか防具は、どうしたら手に入るんだ?」


ミリアム「武器は、武器店で、防具は防具店で購入しなければなりません。少しの蓄えなら私が用意しますが蓄えには、限りがあります。」


徹「僕たちの国では、RPGというゲームがあります。ひょっとして、魔物を倒す事でお金が手に入るとか…ですか?」


ミリアム『否…そんな事はありません。ただ、時々、魔物の中に武器や防具を持っている魔物もいます。その武器や防具を売ってお金に替えるのです。』


徹「それは、難しいな…」


ミリアム『少し時間が掛かりますがここでお金を稼いでから出発した方がいいと思います。今は、人手不足ですから…』


徹「そう…そうするしか無いみたいだね。」


優希「で…どうするの?」


徹「ここでアルバイトをしてお金を貯める。そのお金で武器や防具を揃えてから出発する。」


優希「ええ~アルバイト?優希、力仕事は、出来ないよ。」


瑞穂「ホント!わがままな子ね!」


優希「はあっ!何よ!ちょっといい気になってるんじゃないの?お高くとまって!」


瑞穂「あんたこそ、わがままばっかり!」


徹「止めろよ!こんなところで喧嘩するなよ。」


今までこんな事は無かった。


瑞穂の対する優希の怒りは、今始まった事では無い。


それは、前々から瑞穂の言動が気に入らなかった。


そのストレスが積もり積もってこんな事を言ったんだと思う。


美紀「もっと、冷静になろうよ。一人ひとり性格は、違う。長所もあれば短所もある。だから、揉め事は、止めて…折角、ここまで仲良くやって来れたんだから…」


私は、とても悲しかった。


そして、辛かった。


仲間同士でぶつかる事なんて今まで一度も無かった。


そんな私の気持ちを他所に喧嘩は、一向に収まる気配が無い。


優希「私!悪くなんか無いもん!」


瑞穂「はあっ…美紀さんごめんなさい。」


徹「もっと仲良くしようよ。」


瑞穂「美紀さん、お願い、今回は、美紀さんがどうするか決めて…私、今、そんな気になれないの。」


美紀「瑞穂さん…うん、わかったわ。でも、喧嘩はしないで!お願い。」


そして、理穂が優希を叱る声が聞こえる。


理穂「優希!お前も悪いんだぞ!自分勝手になるなよ。!」


優希「もう、嫌っ…理穂ちゃんも瑞穂さんも嫌い!!わあーーっ!!」


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