第二話 異世界(4)
ミリアム『力が無くなったんじゃなくて、封印されたんだと思う。リクアは、外部から来た連中の力を全て、封印していまうから…』
徹「僕たちの力がリクアに封印されたという事なの?」
美紀「でも、私は、飛行艇を動かす事が出来たんだよ。」
徹「たぶんそれは、美紀が記憶の一部しか力を見せなかったからだと思うよ。秘めた力は
、封印しきれなかった。神の力を操る事が出来るのは、美紀だけだと思うよ。」
美紀「私の記憶さえ戻れば、もっと、大きな力を使う事が出来るという事?」
徹「その通り。まずは、美紀の記憶を戻すことが先決だね。」
美紀「でも、どうしても戻せないの…」
ミリアム『[聖なる泉]その泉の水を浴びる事さえ出来れば、記憶を戻す事が出来るかもしれない。でも、そこもリクア手中にあるの。』
徹「もう一つ、僕たちの力を戻すにはどうしたらいいの?」
ミリアム『7つの石片を集めてください。石片には、神の力の封印を解くカギが隠されています。まずは、一人でも神の力をお持ちなら[聖なる泉]へ急いで下さい。』
徹「[聖なる泉]のある場所を教えてくれる?」
ミリアム『北に向かって歩いて行くとお城があります。お城の中も、リクアの手下どもに占領されてます。そこの牢にこの国の国王が閉じ込められています。国王を助けないと[聖なる泉]に行く事が出来ません。それから、あなた方のその恰好は、どう見ても目立ち過ぎます。まずは、衣装を変えなくてはいけなせん。』
徹「じゃあ、どうしたらいのかな?」
ミリアム『力尽くで構いません。奴らを倒して、お仲間分の衣装を確保してください。私もあなた方とご同行します。』
私達の仲間にミリアムが加わった。
そして、徹は、ミリアムの話した事を仲間全員に説明した。
優希「何か楽しそう。ワクワクするね。」
三咲「どうしていつも、こんなに緊張感が無いのかな…優希ちゃんは…」
優希「何か言った?」
三咲「何も…言ってないわ。」
理穂「そんじゃ、行くか。」
溜息を付く瑞穂。
瑞穂「みんなどっちもどっちね。まずは、作戦を立てないといけないよ。みんなバラバラだとやられちゃうよ。」
徹「瑞穂さんが正解だね。間違いないよ。まずは作戦プランを立てないと…」
理穂「作戦は、こうだ。名付けて『お色気作戦』まず、優希がメイドの恰好をしてから、スカートを捲ってガーターを見せる。すると、そのお色気に酔いしれた奴らが油断する。そこを私達が叩く。どうだ!」
美紀「メイド服は、どこにあるのよ!そんなの無理に決まっているじゃない!」
理穂「まあ…そうだな…」
瑞穂「私と三咲さんがおとりになる。奴らが私達を追掛けてきたところを理穂さんと美紀さんで叩いて。それから、奴らの衣装を奪うのは、徹君と優希ちゃん。理恵さんは、それをかき集めて欲しいの。」
優希「さすが瑞穂さんだね。」
瑞穂「茶化さないの!作戦を開始します。」
私達は、宿のロビーに出る。
ロビーには、誰もいない。
この宿自体が廃墟の様になっている。
まず、瑞穂と三咲がロビーから道路へと駆け出していく。
暫く待機しているとリクア軍の兵士が二人の元に駆け寄ってきた。
そして、出来る限り間合いを詰める。
瑞穂「今だ!」
二人は、宿のロビーに走って入る。
そこで木棒を持った私と理恵が思いっきり兵士をやっつける。
バタバタ倒れて意識を失う。
そして、徹と優希が兵士の武器を奪い、身ぐるみ剥がして、柱に縛り付ける。
優希「ごめんね。」
そう言いつつも、優希の言葉とする事のギャップが大きいのに性格を疑う徹だった。
こんな作戦を繰り返す事で人数分の衣装を手にする事が出来た。




