第二話 異世界(3)
三咲「私達、生きているんだよね…」
美紀「生きている?これって、生まれ変わった姿じゃないの?」
理穂「そんな訳ないだろう。」
絶望の淵に立っていた私たちを誰が何の為にここへ運んで来たのかわからない。
誰かが私たちをここに運び治療してくれている。
私達が生きている事には間違いない。
美紀「ここは、私たちの世界じゃない。何もかも違う。外の景色を見てみて!」
みんなが窓際に移動して外の景色を見る。
そして、その景色を見たみんなが一斉に黙り込む。
それは、私達が異世界から来た宇宙人であり、特別な存在になる。
言葉も通じないだろう。
でも、ここの人々の誰かが私達を助けてくれたのには間違いない。
お礼が言いたい…だけど、外に出て行く勇気も湧かない。
彼らに私達はどう見えるのだろう。
私達と同じように外の景色を見えているのだろうか。
『助けて…』
どこからか助けを呼ぶ声が聞こえる。
声が聞こえている訳じゃないかもしれない。
直接頭の中に話しかけてきている様にも思える。
言葉が通じている…
話さなくても言葉がわかる。
また、助けを呼ぶ声が聞こえる。
どこから聞こえてくるのだろう。
耳を澄ます私たちは、その声がどこから聞こえてきているのか、わからなかった。
徹が懐いてきたその子(小動物)の姿を見る。
徹「もしかして、声をかけて来たのは、君なの?」
と、問いかけてみた。
すると、その(小動物)は、尻尾を振り反応している様に見えた。
私たちの世界では、犬が喜ぶと尻尾を振る。
でも、この世界でもそれが同じだとは言い切れないと思う。
美紀「その子(小動物)が助けを求めているの?」
徹「えっ…わからない。でも、この子(小動物)だったとしたら、この世界の事を聞き出せるかもしれない。」
美紀「じゃあ、問い掛けてみて…何を求めているのか聞いてみて。」
徹は、小動物に声を掛けてみた。
徹「君が助けを求めたんだね。どうしたんだい。」
『私は、ミリアム。助けて欲しい…リクアに殺される…』
徹「ミリアム?わからないよ。落ち着いて話をしてくれるかな。」
ミリアム『あなた達は、人間でしょ。だから、私は、あなた達を助けたの。』
徹「僕達を助けたって…どういう事?」
ミリアム『人間がここにいるという事は、この世界が救世主によって助けられる事を意味しているのです。』
徹「この世界を助けるって…それから、僕たちが”人間”ってどうしてわかったの?」
ミリアム『人間は、私達にとって神様みたいな存在です。倒れていたあなた方を一目見て人間だってわかりました。』
徹「じゃあ、君が僕達を助けてくれたの?」
ミリアム『そうです。でも、私一人じゃそんな力はありません。』
徹「他にも仲間がいるの?」
ミリアム『私に中にたくさんいます。』
徹「君の中?ってどういう事?」
ミリアム『見えているのは、私の一部です。本当は、もっと大きいんです。でも、そんな大きな体は動き辛い。だから、コンパクトになっているんです。』
徹「なるほどね。」
私は、徹と小動物との会話が妙に変に感じる。
それは、徹が一人で話をしている様にしか見えない。
それでも徹は、真剣な顔をしている。
徹「リクアって何なの?」
ミリアム『この国を支配している王様です。私達は、一昔前までは、平穏に暮らしていました。ところがある日、リクア国を名乗る族が私達の町を横取りして占領してしまったのです。リクア軍に捕まった仲間達は、私たち種族の理性を奪い好き放題にしてしまうんです。そして、言う事を聞かない仲間たちは、奴隷の様に扱われ、使えなくなったらゴミ同然に捨てられるのです。』
徹「それって…ひと時前の僕達の町であった事と似ている。」
ミリアム『そうなのですか?町を占領されてしまったのですか?』
徹「殆どが占領されていた様なものだと思う。でも、ここまで酷くなかったけどね。」
美紀「ねえ、徹!どんな事、話していたか教えてくれる?」
徹は、ミリアムと話をしていた事を詳細に話をしてくれた。
美紀「外にいた悪魔みたいな奴らがそうなのかな?でも、私達が神って…」
理恵「神の力は、ここに来て無くなってしまった。」
ミリアム『それは、違う。』
徹「理恵さんの言っている事が違うってミリアムが言ってるよ。」
理恵「現に皆、ここに来た途端に力が無くなってしまったんだよ。」




