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プロローグ

よろしくお願いします

「なあ未央! 呪いのゲームって知ってる?」


「……は?」


昼休み、唐突におかしなことを言い出す友人に怪訝な表情を浮かべる俺。

どうしたこいつ、とうとう頭湧いたか。


「今噂のブレイブオンラインだよ!」


「知らねえよ……」


何なんだよ一体。その呪いのゲームは俺の貴重な睡眠時間を奪ってまで話すほど価値があるのか?

もしくだらん内容だったら殴ろう。うん


「タイトル以外詳細不明の謎のゲーム! プレイした人間は行方不明となる呪いのゲームさ!」


「ゲームさ! じゃねえよなんでそんなにテンション高いんだよ死ねよ」


「き、今日は一段と冷たい……。まあそんなことより! 今日二人で試してみようよ!」


「や」


「一文字!? 僕の情熱を込めた誘いを一文字で!?」


うるさい……


「なーあー。やーろーおーよー」


「…………」


「みーおー。みーおーくーん」


「だあああああああああああもう! わかったよやればいいんだろやれば!」


「さっすが親友! 話せばわかると思ってたよ!」


「そのかわり今日ダッツおごれよ」


「えええ!?」



11:58

そんなこんなで夜。

あのあと友人から聞いた話ではそのゲームは深夜0時ちょうどにサイトが現れるらしい。

URLをメモしてもらったが、URL先に飛んでも手もNot Foundの文字が現れるだけだった。

しっかし……行方不明になる呪いのゲームがオンラインゲームってどうなんだ?

一緒にプレイする相手がいないじゃないか。というかまずプレイできない。

噂の域を超えてないし、どうせこのあたりだけで騒いでるだけのガセ情報だろ。


11:59

なにもすることがないからとりあえず更新しまくる。

もしなにもなかったら明日またダッツを奢ってもらおう。あいつの財布事情は知らん。

もしなにかあったら殴ろう。100発ぐらい。殴れたらだけど。

どっちにしろ友人の明日は悲惨になるだろうな。主に俺のせいで。


デジタル時計の秒単位の表示が52秒となっている。

そろそろか……なんだかんだで俺もちょっと興奮しているな。この場合は不安になるのが正常なんだろうけど。

呪いのゲームで興奮するとは、やはり俺も少しばかりゲーマー気質なのだろうか。

そんなことを思いながらサイトを更新し続ける。


12:00

「っ……!」


出た。

画面に広がる『BRAVE ONLINE』の文字。

大きなタイトルロゴの下にnameの文字とその横に四角い枠がある。

ここに名前を入力するらしい。


「っと、そんなことより電話……」


まさか出るとは思わず呆然としてしまった。

友人に電話して向こうの様子を聞かなければ。


電話帳から友人の名前を探し出し、通話。

2コールの後すぐに出てきた。


「おい出たぞ。そっちは?」


『はあ!?』


突然大声を出す友人。

ケータイだから声が耳元で聞こえてキーンとする。


「おまっ……急に大声を出すなよ!」


『あ、ご、ごめん! そんなことより出たってホントに!?』


「ああホントだよ。そっちは……その様子じゃ出なかったみたいだな」


『トイレ行ってた……』


「死ね」


友人の愚行をとりあえず避難して通話を切る。

さて、あいつのことだから家に来るだろうな。その前に少し調べておこう。

もう一度更新……したら消えそうだな。やめておこう。

となると先に進むしかないよなあ。


俺は名前を入力する枠に『ミオ』と入力して先に進もうとする。

別に俺はネットで使う別名なんて持っていない。気にしないし。

なによりこんな名前のやつが男とは100人いて1人いるかいないかだ。

それに若干女顔だから名前と相まって初見の人からは大抵女と間違われた。

入学当初なんて男装女子とか噂が広まって……大変だったなあ。


おっと、話が脱線しかけた。

俺は気を取り直して先に進む。


そして、その瞬間――――俺は大草原に立っていた。


「……は?」

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